21歳の頃にスナックでバイトしていた時に体験した話です。
その日はスナックの周年記念パーティでした。
ママと2人でやっていた小さなお店でしたが、
パーティということでお客様がたくさん来店してくれて
店内は満席状態でした。
あまりの満員具合に、1杯だけ飲んで帰る方や、またあとで来るよーと言い、いったんお店を出るお客様。
ママも私もてんてこまいの状態で、目が回るというのはこのことかと実感するくらい。
そんな中、一人の新規のお客様が来店されましたので、ホールにいたママへの合図も含めて
「いらっしゃいませーっ!」
と大きめの声でお声がけをしました。
ママは扉へ背を向けて座っていましたので、私の声がけがお客様来店の合図でした。
その後もお客様の対応に追われ、その時に来店されたお客様がどこに座ったのかなど
気にする余裕もありませんでした。
12時が過ぎ、少し落ち着いた頃、そういえばあの新規のお客さんはどんな人だったのかなと思い
ママに聞いてみました。
が、今日は新規の人は来ていないと・・・。
「えっ!?青いセーターを着て、これくらいの背丈の男の人来ましたよね!?」
と聞くと、ママはその人が帰ったのを見かけたと・・・。
私がいらっしゃいませと言ったとき、ママは誰もいないのにこの子は何を言っているんだと
思っていたと言われました。
私はというと、ママが帰った姿を見たという時、誰も帰っていないのに、
またお願いしますと声をかけていて
誰に挨拶したんだろうと思っていました。
そう。私が入ったのを見て、ママが帰ったのを見たんです。
「いやいやいや・・・ないでしょー」
と話をしていたら、お客様がカラオケで歌っていたんですが、
突然、ガガガガッと音が入りました。
思わず話すのをやめて、仕事に戻りました。
後日、知り合いの祓い屋さんにお話を聞く機会があったので
その日の話をしてみたところ、お店が入っているビル内にいる方だそうで
楽しそうな雰囲気に誘われて来たんじゃないかということでした。
立地的にも、スナックという場所にもそういう方が集まりやすい場所なんだそうです。
これが私がそこで働いているときに体験した数ある心霊体験の中の一つです。