これはU君が1年前に行った埼玉の鷲宮神社での怖い話です。
U君は1年前、弟さんが久喜市の方に仕事で行き、親に頼まれ、顔見がてら東京や関東近辺の小旅行を兼ねて夏の終わりに休みを取っていったそうです。
最初は東京や神奈川に行き、次の日に車で久喜市に行き、U君の弟さんK君と会い話をしたりしました。
U君には弟さんと会うだけでなく久喜市に来たのは実はもう一つ目的がありました。
彼は鷲宮神社に行きたかったのです。
U君はアニメ大好きなオタクさんです。
以前らき☆す〇というアニメが放映された舞台で聖地となってました。
初詣は凄いお客さんがくるそうです。
鷲宮神社にずっと行きたかったらしいのですが、仕事や体調不良、他の仲間とスケジュールが合わなくてやっと念願の聖地巡りができると喜びました。
K君から場所を聞き、昼間行くことにしました。
鷲宮神社に行くと、普通の参拝客ややはり風貌からアニメ大好きの雰囲気を出し男性や女性も多かったそうです。
絵馬にはアニメや漫画の絵が大量に書かれた痛い絵馬もありU君もそれを見たりお参りしたり、スマホで撮影して時を楽しんでました。
この日はU君はK君の家に泊まることになりました。
ただ、K君の住んでいるアパートは狭いので街に出て食事をしました。
食事の際に、地元のアニメ仲間に鷲宮神社やその付近の写真をスマホで送っていたそうです。
するとレスポンスが早く、一人の仲間が「昼間の雰囲気よりも夜の鷲宮神社を撮影してくれ。」と依頼がありました。
U君はいろいろ心霊や怖い体験を結構している人で、あまり夜の神社は取りたくないと断りを入れたそうです。
しかし、その仲間から「前にグッズを買ったときにお金貸したでしょ!そのぐらい要求聞いてくれないと付き合い考えるよ。」と脅迫めいたようなメールがきたそうです。
U君自身がコミケやどうしても買いたいグッズがその時持ち合わせがなくその仲間から泣く泣く借りたそうです。
U君が悪いのですが、仲間の要望に断れずに承諾し、K君とお酒も飲んでしまったので、タクシーで鷲宮神社へ行こうと決めました。
K君には詳細を説明し、渋々承諾したそうです。
K君は別にアニメ好きでもないのですが、聖地の話は聞いていたので一回行っていいかなと思い許可したそうです。
食事を終えてお店を出たのが21時になろうとしてました。
何とかタクシーを拾い、鷲宮神社へ。
途中運転手さんがぼそりと一言。
「何の用で行くのかわからんけど、あまり夜の神社は行かん方がいいと思うよ。」と年配の運転手さんに言われたそうです。
運転手さんは夜はなかなかタクシー拾えないからもし良かったら電話くれれば帰りも行くと言って携帯の書かれた紙をU君に渡したそうです。
そしてタクシーはU君達を置いて去っていきました。
夜の鷲宮は流石に人も昼間のように多くなく、誰も居なかったそうです。
U君達は夜ですがスマホで撮影し、折角なのでお参りしました。
U君とK君は賽銭入れてお参りしました。
U君は近くの宮前橋も作中に出て取りたかったので、そこに行こうとした時でした。
「うー」と女性のような小声がしたそうです。
U君達は驚いて誰かいるのかとビックリしました。
ですが誰もいません。
K君が社の後ろも見ましたがやはりいません。
U君は急に体に寒さを覚えました。
その場を離れようとしたら、今度は男性の小声がか細く聞こえてきたそうです。
「あー、あー」と…。
「兄貴、速く去ろうよここ。」弟のK君も気味悪がって催促し神社を離れました。
ですが、体が鉛のように重くなかなか動きませんでした。
ゆっくりですが何とか動いて歩きました。
U君はこの時後ろから誰かに見られてるような感覚がしたそうです。
ですが、怖くて振り返れずに歩いてその場を去ったそうです。
U君はとりあえず、K君と宮前橋の辺りまで行き、先ほどのタクシードライバーの方の携帯に連絡。
お客も捕まらないので10分で行けるということでその場で待つことにしました。
K君が突然、「あ、兄貴。だ、大丈夫?」と聞いてきたそうです。
U君はこの時は特に体調も悪くなく大丈夫だと答えたら、K君は苦々しく不安そうな顔だったそうです。
10分後先程のタクシーが来たので、U君達は飛び乗りK君のアパートへ向かいました。
運転手さんがしばらく走り話しだしました。
「もう、追いかけてはこないな。見えないから大丈夫さ。」との言葉でU君は驚いてました。
「俺もたまに見えるんだよね。あの神社に来るとさ。」と。
隣の席のK君が、「兄貴とあの橋で待っていた時兄貴の右肩に白い髪の長い女性がしがみついてるの見た…」と聞き、U君は言葉を失いました。
その後、アパートに戻るとスマホで撮影し送ったアニメ仲間の人が
「おい、これ何なの?何写したの!!」とSNSで連絡が来ました。
U君はスマホで取った写真を見ると、送った時には見えなかったのに神社の周りを撮影した写真に煙のような靄がありました。
そこには人の顔のような輪郭が目、鼻、口がうっすら浮かんでいたそうです。
U君は恐ろしくなり、K君からビールを一缶貰い、一気飲みしすぐに寝たそうです。
翌日何もなく、車で地元に戻り地元の大きなH神社で即お祓いしてもらったそうです。
その後何ともありません。
ただ、「もう、あそこにはいかないと思う。
あの時に感じた寒気は今思い返せば冬のような寒さでヤバいと思った。
聖地巡りはするけどもうあそこはいい。」と飲んだ時に真顔で答えてました。
そんなU君の怖い体験話でした。