ずっと住んでた家の押入れの中。
大阪にある二部屋しかないアパートお風呂もないです。
現在では取り潰されています。
私は幼稚園の時、両親に捨てられ、母方の祖父母の家に引き取られました。
その家での出来事です。
何かしら、とても暗くて陰気な家でした。
暮らし始めて何日かすると私はとても怖い夢を見てうなされました。
暗闇の中でとても怖い顔、怒った顔が燃えているように
紅く叫ぶように口を開けて私に向かってくるのです。
私は眠っているから動くことができません、
そして動けないままの私の体をすっと抜けていくのです。
その顔は1人だけではなく、何人も何人もまるで複数の人間が
私に悪意を持っているように叫び紅く襲いかかってきました。
最初は「怖い夢を見たな」としか思ってなかったのですが、
私はその日から頻繁にその夢を見るようになり、
時には何かお経のようなものがザーッと流れたりすることもありました。
「もう怖くて眠りたくない!」と思うほど私は恐怖に怯えていました。
しかし、睡魔はどうしてもやってきます。
眠りたくても明日の学校もありますし、寝ないわけにはいきません。
それで「怖い怖い」と思いながらお布団に入り、
しばらくすると温度のない、物体でもない、空気の塊でありながら
人間の手としか思えないものが私の両足を掴み、そのまま私をフワーッと持ち上げました。
慌てて下を見ると私自身が眠っていて、何が何だかわからない状態になってきた途端に
バン!と下に落とされました。
気がつくと私は布団に横たわっていました。
それから、私を養っていた祖父母の様子が変わり始め、何かと私に
「あんたは鬼や、あんたは鬼の子や!!」
と言い出し始め、私がいないときに机を漁り、
ただの現代国語のノートを開いて
「育ててやってるのに、そんなに私らが憎いのか!!」
と暴れ出し、ほかにも手鏡で突然私の頭を殴ってきたり、
「あんたは鬼子やあんたは鬼子や!!」と叫び、
「殺してやる」と言って襲いかかってきたこともありました。
私と祖父は祖母を病院に連れていきました。
しかし以上は見られず、あっさりと帰されました。
それからはその祖母との地獄の日々が始まり、
夜グタグタになって眠るとまた怖い怒りと憎しみで赤く燃えがるような恐ろしい顔が襲ってきました。
私はもう耐えられずに、家を出ることにしました。
当時付き合っていた彼氏が一人暮らしをしていたので、
そこに住まわせてもらうことにしました。
それで家を出る時にいるものを持っていくために普段はほとんど開けない襖を開け、
奥を覗くと、先が輪になっているロープが埃まみれになって天井からぶら下がっていました。
とっさに「誰かがここで首を吊ったんだ」そう思いました。
私はその襖に入っているものはもう何も持ち出す気になれず、そのまま襖を閉めて家を出ました。
彼氏の家に住むようになってから、私はその怖い夢を全く見なくなりました。
そして祖母のあの私へのひどい言動もあのロープのせいではないかと思っているのです。
そのアパートは今は取り壊されてますが、その場所には新しい建物が建っているそうです。
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