実家が一番恐ろしい場所なのを知った

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私が成人まで育った古い木造の借家、当時築何年だったかも分かりませんが

日当たりが悪くすきま風の入る、気分的にも落ち込む雰囲気の家でした。

当時は親戚付き合いが多くあり、

そんな古い家でも年に何度かは隣の県に住む従兄弟も遊びに来てくれていました。

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最初に気づいたのは従兄弟だった

従兄弟は泊まりに来ると、家が狭いのでいつも私たち姉妹と同じ部屋に布団を敷いて寝ていました。

ある時、その従兄弟の口から変な話が出ました。

「前から思ってたんだけど、この家…いるよね。」

詳しく聞いて見ると、夜中にふと目が覚めた従兄弟が

私の飼っていた小鳥のカゴを取り巻くように、白いモヤがかかっていたと言うのです。

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私より先に姉が体験していた

姉は従兄弟の話を聞いて、「うん、知ってた」と言いました。

何のことだか私にはよく分からず、姉の話を聞くと

私たちのいる部屋の、ある場所である方向に頭を向けて寝ると、金縛りになると言ったのです。

従兄弟と姉は、冗談でも言って私を怖がらせてるのかな?

と私はあまり本気で信じてはいませんでした。

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とうとう私の番が来てしまった

そのまま何年かが過ぎ、私も家を出て一人暮らしを始めましたが

時々は実家に顔を出さないといけないということで、

帰省したのは少し寒くなった秋ごろだったと思います。

当時、従兄弟や姉の話していたことはすっかり忘れていて

私は久しぶりに実家に帰って羽を伸ばしていました。

いつもどおり食事をして、お酒も飲んで眠りました。

どのくらい時間が経ったか分かりませんが、突然夜中に目が覚めてしまい、

体を動かそうと思ったのですが全く動かないことに気が付きました。

人生で初めての金縛り体験です。

その時、何年も前に話していた「この家に居る」ということを思い出してしまいました。

しかも、姉が言っていた、ある場所である方向に頭を向けて…

というところで私は眠ってしまったのです。

もうどうにもなりません。

どうすればいいのかも分かりません。

どうなっているのか目を開けてみたいけれど、恐怖のあまりできませんでした。

ただ、天井で何かが飛ぶ音がしばらく聞こえていました。

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小さい頃にも居たことに気づいた

なんとなくそのまま眠りに入ったのか、気づくと翌朝になっていました。

金縛りのことはしっかりと覚えていました。

従兄弟たちの話も思い出してしまいました。

そして、もっと遡った記憶がよみがえってしまいました。

私は、幼い頃から小学校低学年くらいまで

夜の階段の上から4番目に「白い人」が座っているのをいつも見ていて、

自分が階段を通る時には、白い人に「通るよ」と声をかけてすれ違っていました。

あれが怖いものとは分かっていませんでした。

今はもうその当時の家は引き払いましたが、

今でもあの階段に、白い人は座っているのでしょうか…。

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