これは私が中学校1年生のときに経験したお話です。
私の母は外国国籍で日本語も上手ではありませんでした。
よく飲みに出ていた母親は何故かその日、わたしをつれて一緒にあぜかりまで出かけました。
夜中3時をまわっときぐらいでしょうか。
タクシーも何も捕まらず、私と母は徒歩で家への道のりを歩いていきました。
家への道には長いトンネルを渡らないと行けなく、そのトンネルは明るいので私は何も恐怖はありませんでした。
しかし、母がトンネル内に入り少しすると、
「怖い…怖い…」と言い出すんです。
「何が怖いの?」と聞き返しますが、ずっと「怖い…怖い…」と言うだけです。
そのうち歩くのも止まってしまい、私もどうしようもできなくなりその時の母の知人へ迎えが欲しいと携帯電話から連絡しました。
電話を切ってしばらくすると、車も通ってないのにトンネル内がゴオオォォォっと凄い音を立てたんです。
それにはさすがにあたしもビックリしました。
その直後です。
母が叫び声を出しながら走り出したんです!
それも道路の方に…
「何してるの!?危ないからやめて!!!」と必死で母を止めていると母は言いました。
「私、ひいてません!!」
泣きながらそう話すんです。
いつもカタコト言葉な母が、真っ赤に充血した目を見開いて、泣きながら言ったんです。
これはただ事じゃないとパニックになった私は迎えが来るのを待つしかできませんでした。
迎えが来て、車に乗り込むのも、知人と私とで大変だったのを覚えています。
なんとか家につき、知人も心配して一緒にいてくれてたのですがその時の母親はまるで別人でした。
暴れまくるので知人が母を押さえ、お前誰だ!!と何度も聞いて母が口を開くと「…ゆうこ…」と名乗ったのです。
母は何度も「私ひいていません」と叫んでいました。
知人も怖くなったらしく、とあるお祓いの場所へ母をつれて行ってくれました。
私は怖かったので行けませんでした。
後日その知人に話を聞くと、そのトンネルの上にはお墓があり、
そこにユウコと言う人の名前があったらしく、お参りしたとのことでした。
それから母が取り憑かれたことはありませんが、その日から霊感が強くなりました。
いつもカタコトだった母があの時初めて日本語を普通に話したときは取り憑かれたのだと確信し怖かったです。
今でもあの時の母の顔を思い出すとゾッとします。