これは自分が体験した話です。
もう20年くらい前の話です。
その頃付き合っていた彼氏がいた私は、一時期その彼と毎晩のように会っていました。
お互い車を持っていたのですが、持ち合わせが少ないことが多かったので、
どちらかの車の中で長話をするというのが日課になっていました。
あまり人通りが多くない、車を駐車しても邪魔にならない場所を選んでいたところ、いい場所を見付けました。
岐阜県可児市の花フェスタ記念公園近く・・・貯水池?の下辺りでしょうか。
ちょうど車一台分ほどのスペースがあり、近くに民家もちらほらしかないくらいの場所でした。
私たちは、その場所に頭から突っ込む形で駐車し2人で話をしながら時間を過ごすことにしました。
最初の日は特に変わったことは何も起こりませんでした。
誰にも気を遣うことなく、時間も気にすることなく過ごせた私たちは、
次の日もその場所で過ごすことに決め、前日と同じように駐車しました。
その日は当時私が乗っていたワゴンRでしたので、前の座席を倒しフラットにして話していました。
フラットにしていると足が伸ばせて話せるので楽なんです。
夜ということもあり、防犯上から鍵は全てロックしてありました。
深夜2時くらいでしょうか・・・
まさに丑三つ時と言われる時間帯のことでした。
2人とも後部座席の背もたれに背を持たれかけ、足を伸ばして話をしていた時でした。
2人とも鍵には手が届かない姿勢ですし、ドアには触っても居ないのに、ロックをしていたはずの鍵が開いたのです。
しかも全部の鍵が動いたので、それをするには運転席の鍵を触るしか出来ないこと。
しかし2人とも後部座席・・・トランク近くなので出来るはずが無いんです。
2人ともビックリして固まっていると、数秒後に今度は『ガチャッガチャッガチャッ!』と3度ほど、鍵が開いたり閉まったりを繰り返しました。
瞬時に『やばいっ!!』と判断し、彼は運転席に私は助手席に移動し、座席もそのままに車を発進させました。
その時、助手席の窓から下を見下ろすと、お地蔵様が建っていました。
その日は何事も無く家に帰りましたし、その後も何事もありませんでした。
あのお地蔵様が自分の場所を示したかったのでしょうか・・・
自分の存在を私たちに教えたのでしょうか・・・
夜中に見たお地蔵様を今でも思い出せるくらいには、恐怖した体験でした。