これは、私が高校2年生の時に体験した話です。
その頃、私は剣道部に所属しており、よく合宿やら、地方に遠征に行ったりなど、
とても力を入れていた部活に入部していました。
私が高校2年生の夏、栃木県の那須塩原市で合宿がありました。
ただ、食事や寝泊まりなどする所は合宿所ではなく、古びた汚い旅館のような場所でした。
昔の記憶なので詳しくは覚えていないのですが、特に印象に残っているのは、
私を含めた4人部屋の部屋の窓際近辺にやたらと大きな鏡があった事です。
鏡を見た瞬間から、気持ち悪いなと思いました。
同じ部屋の同期の子たちと
「なんか嫌な感じだね。寝る時はバスタオルかけて寝ようね。」と話していました。
夜になり、私達は一通り食事やお風呂を済ませ、布団の敷かれた部屋でくつろいでいました。
そして、練習疲れもあり、いつの間にか全員寝てしまいました。
何時だったかは覚えていませんが、私は暑くて目を覚ましました。
電気は消えており、足下に置いてある扇風機が消えていたのでつけました。
ふと右隣を見ると、鏡がこちら側を向いている状態でした。
私はバスタオルを掛け忘れてしまったことを思い出しました。
何故かそれだけで、ゾッとしたことを覚えています。
私は、みんな寝ているので、電気を付けたら悪いと思い、
暗闇に目が慣れてきた頃、急いで近くにあったタオルを鏡に掛けて布団に戻りました。
そして横になり、鏡の方向を見ると、女性の足のシルエットが見えるんです。
暗闇で、暗闇よりも暗い足のシルエットなので、
それが何故女性の足とすぐ判断出来たのかは分かりませんが、確かに女性の足でした。
隣で寝ている子を起こそうと思っても、体は動かなくて、
視線もその女性の足から目が離せなくなっていて、怖くて怖くて仕方ありませんでした。
気がつくと朝でした。
昨晩の事は、夢だったのか現実だったのか全く分かりません。
ただ、同期の子にその出来事を話すことも、当時の私はしませんでした。
唯一救いだと思ったのは、その旅館での宿泊が一泊ですんだとゆうことです。
今でも時々思い出して、あれはなんだったんだろうと思ったりします。