ミステリーツアー
心霊スポットには行ってみたいけども、一人ではちょっと怖いという方でも気軽に参加できるのがミステリーツアーの良いところだと思います。
解説もついていれば、一緒に参加する人も多くおり、某有名ツアー会社のプランにもミステリーをプッシュしたものがあります。
最近では、タクシーでもそういったスポットを巡ることの出来る会社があり、ちょっとした恐怖を味わいたい方にとっては嬉しいことでしょう。
これは、私の叔父がとあるミステリーツアーに参加したときの話です。
自殺多発地域
叔父が参加したのはバスツアーでした。
ちょっとした好奇心から、一人で参加したそうです。
かつて殺人があった場所、妖怪伝説が残る神社と観光する場所は様々であったようですが、どれも観光地として有名な場所であり、単なる旅行と変わらないように思っていたそうです。
ですが、とある場所に降り立ったときに彼はそこが確かに曰くつきの場所であることを確信します。
そこは群馬にある渓谷であり、東洋のナイアガラと呼ばれるほど壮大で美しい滝があることで有名な場所でした。
しかし、叔父にとってそこは少々辛い場所でありました。
実は、ここで私の母が自殺しているのです。
今でこそ防犯カメラがついておりますが、当時はそれすらなく、深夜でも自由に出入りできることから、母は真冬の寒い時期にその激しい川の中へと身を投げたのです。
親戚一同でその現場へ花を供えに行ったのを叔父もよく覚えておりましたので、添乗員の語る転落事故が多く…という言葉に確かになと頷いたそうです。
地元の警察の方から聞いたはなし
遺体確認が終わったあと、母が乗っていた車を弟が運転し、私たちが乗ってきた車を父が、私はパトカーで自宅へと向かうことになりました。
遺書などがないか、家の中を捜査するためだそうです。
パトカーのなかでまだ母が死んだという実感がもてず、どこかぼんやりとしながら警察の方と話をしておりました。
警察の方いわく
「観光地として栄えてはいますが、地元に住んでいる私達からするとちょっと物寂しい場所にしか思えないんですよね。実際、あそこで亡くなる方は非常に多くて」
とお話を聞かせてくれました。
寒がりだった母は、何故最後にあそこを選んだのでしょうか。
遺言などは残されていなかった為に真意は不明ですが、毎年命日近くに現場へ行くと、同じような方を見かけるのは確かです。
観光名所ではありますが、私には美しい滝の飛沫が死者の断末魔のように聞こえ、水面に渦を巻く光景も死へと誘っているように思えて仕方ないです。
