この話は、東日本大震災から五ヶ月後に起きた話です。
私達家族は主人の転勤で北海道に住んでいるのですが、
東京にいる私の両親に会いに行く為に高速道路を走っていました。
久々に両親に会えるということで、私の胸は弾んでいました。
娘達も、祖父と祖母に久し振りに会える喜びで興奮してました。
福島県の高速道路を走っていた時に、まだ昼間なのに睡魔が、突然襲ってきました。
私は夢の中で、津波に襲われ凄い恐怖に襲われました。
「キャ―。」と無数の断末魔のような声がしてきました。
色々な人達が津波に襲われ、まるで地獄絵図のようでした。
私は、もう死ぬかもしれないと諦めかけた時に突然、
眼鏡をかけた初老の女性が私の前に現れ、
「娘をどうか探して下さい。」と、私にお辞儀をしてきました。
会った事は一度もないのですが、何故か不思議と安堵してました。
とても上品な女性で優しそうな人でした。
その後に、私は耳元に「フッ」と女性に息を吹き掛けられて、私は驚いて起きてしまいました。
何故、息を吹き掛けたのか意味が分かりませんでした。
そしたら、後ろに座っていた私の娘も、
「誰かに息を吹き掛けられた。」
と、言って驚いていました。
恐らく娘もその女性に息を吹き掛けられたのかもしれません。
私は、怖くて暫く放心状態になりました。
夜になって、主人が東京のガソリンスタンドに着いて車のフロントガラスを見たら、
私の所だけ無数の手形がついていました。
それを見て家族皆が凍りつきました。
主人の話だと恐らく霊感のある私を頼って被災地で亡くなった方々が、
私に助けを求めてきたのではないのかと言っていました。
今でもあの時の事は忘れられません。