私が体験した心霊体験は、2つあります。
私は高校生の頃、
広島、神戸、四国へ修学旅行へ行きました。
1日目は広島、原爆ドームと
平和記念公園を見学し、
被爆体験の講和を聞くというスケジュールでした。
広島に到着したのはお昼を過ぎたころで、
そのホテルへと入ったのは夕方を過ぎてからでした。
私の学校は1クラスの人数が少なく、
女子は10人程度しかいません。
女子はひとつの大部屋で寝ることになりました。
大部屋にて荷物を置き、
夕食をいただいてからまた戻ってくると、
どこからともなく、かちかち、かちかちと音がしたのです。
時計の音というには不規則に鳴っており、
結構耳につき気になる音でしたので、
私たち女子は原因を探しました。
そして音の正体は、電気のスイッチの隣にある、
エアコンをつけると点灯する小さなライトだったのです。
それは不規則にかちかちと音を鳴らしながら点滅しており、
無機質なだけに余計不気味でした。
気になるのでホテルの方と先生に相談すると、
ホテルの方はそのライトの上にガムテープを貼り、
漢字にもひらがなにも見えない
よく分からない文字をマジックで書きました。
するとかちかちという音が止まり、
それ以降鳴らなくなりました。
しかし音よりもそのガムテープと文字の方が余計に不気味で、
私たちはなるべく見ないようにしていました。
2つめは、そのホテルで一夜明かした朝のことです。
まだ暗いうちでしたが、
誰かがトイレの流す音が聞こえ、
私も目を覚ましました。
大部屋からトイレへ続く廊下に電気がついており、
私がそちらを見ると、廊下の隅の壁から
長い真っ黒な髪がだらりと垂れていたのです。
髪の長い女子がそこにいるのかと
思いながらも違和感を感じ、
じっと見ているとその髪は
すっとトイレの方へと行ってしまいました。
やっぱり誰かいたのか、と思っていると、
トイレから女子のひとりが戻ってきました。
しかしの女子は長髪でしたが、
髪は黒ではなく薄い茶色。
廊下の電気の下でも見間違えるはずのない茶髪でした。
そのうち皆が起きだし、大部屋の電気がついてから、
私はじわじわとした恐怖に襲われました。
あれはいったい、誰の髪だったのだろうと。
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