深夜に一人道路を渡るおばあさん

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20年以上経っても未だに不思議に思っていることがある。

当時、私は大学生だった。

友人達と遊んだ帰り、いつものように私の車でアパートに戻っていた。

車の運転は私、助手席には親友の女の子が座っていた。

そして、後部座席にはその子の彼氏が座っていた。

いつもだったら、わりと喋りながら帰るのだが、その日はもう午前2時を回っていて疲れもあったからか

静かな車内だった。カーステが音楽を鳴らしている。

道路は、平日の深夜ということで対向車もほとんど走っていない国道の一本道。

30分程走り、車は信号で止まった。

自動車専用道路と交わる交差点だ。

車用の信号はあっても歩行者用の信号も無ければ横断歩道もない。

そもそも人は入らない交差点なのである。

やけに青になるのが長かった。私は、カーステの音楽を聴きながら前方を見ていた。

すると、一人のおばあさんが道路を渡り始めた。

というか、いきなり私の視線の中に入ってきた。

歩みがひどく遅く、中央分離帯にもまだ着かない。

私は、助手席の友人に向かって

「危ないねー、あのおばあさん。あんなにゆっくり歩いてたら車に轢かれちゃうよ。」

と言った。それに対して友人は

「えっ、どこ?」

と聞き返した。

「ほら、あそこ。中央分離帯の近く。」

と言っても見えないと言う。私は、後部座席の友人の彼氏にも

「見て見て、おばあさんいるよね?」

と聞いたが、彼にも見えないと言う。

でも、小さな信玄袋を後ろに持ったおばあさんが確かに今も歩いているのが見える。

もう一度友人の方を見て、道路を見た時そのおばあさんの姿はどこにもなかった。

信号が青になり、車を走らせた。

おばあさんを見かけた付近で少しスピードを落としてみたが、やはりおばあさんの姿はどこにもなかった。

「えーっ、確かにいたのに。」

2人には見えなかったおばあさんの姿が私にはしっかり見えた。

でも、夜中の2時におばあさん一人が道路を渡るのはおかしい。

もしかして、あの交差点で事故があったのだろうか?

20年経っても忘れられないできごとである。

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