宮城県です。たぶん青葉区だと思います。うろ覚えですいません。
これは数年前の事です。私は上司のTさんと宮城県の仙台に出張で行きました。
朝早くから取引の会社に着き色々手続きや挨拶や話をし、お昼手前で仕事は終了してしまいました。
市内でお昼を食べて、後は帰るのみでした。次の日は休みで私は気が正直楽でした。
帰ろうかとしたらTさんが、「すまんがちょっと通ってもらいたい所があるんだがお願いできないかな。」と頼まれました。
上司の頼みなので断る理由もなかったので承諾し、会社の営業車に乗りました。
Tさんは東北大学出身で大学方面を久々に見に行きたいとのことでした。
その際に「もし、あるポイントに着いたら話すけど、ちょっと注意してもらいたい場所がある。決して速度は出さないでくれ。ゆっくりがいい場所がある。」と明るくユーモアなT部長の顔が暗く真顔で話しました。
T部長は滅多に怒らない人ですし、ふだんは明るいのにこの時だけは暗く厳しい表情を初めて見たので少し気になりました。
仙台市内から伊達政宗の青葉台の城址を通り車を進めていきました。そしてTさんは口を開きました。
「これから八木山橋という橋に近づく。スピードは出さないで欲しい。もし危ないし、変だと思ったらすぐに車止めてな。」と言いました。
私は法定速度より気持ちマイナス5キロくらいダウンさせ走りました。
するとやぎやまばしと書かれたプレートの橋が見えてきました。
非常に高く、脇の柵が私にとってはちょっと異常というか高すぎるというか考えられないほどの高さの柵が無数にありました。
車内の時計は14:10を指してました。橋をゆっくり渡りました。
私は渡り始めた時に急激に頭の後頭部付近にアイスの冷たさのような感覚を覚えました。
何か変だなと思いました。
「よ、よそ見しないで真っ直ぐ見て走ってくれ。」
Tさんの顔も緊張していたみたいで引き攣っていました。
私は車を引き続き走らせました。
が、何故かアクセルのペダルの感覚が自分で踏んでいないような感覚でした。
そして雨も降っていない夏なのに突然ワイパーが稼働しました。全く弄ってません。
不気味だと思い直ぐに切りました。
何だか胸焼けした感じがしてちょっと気持ち悪くなってました。
この時に速く橋を渡りたいの一心でした。
もう少しで橋を渡りきる時でした。
私は一つの異変に気付きました。
運転席のドアミラーに何か写っているのに…。人は歩いていません。
ですが、ミラーには人の手がベタリと写っていました。
怖すぎて直ぐに前を見て私は恐怖に耐えて橋を渡りました。
その後しばらく走りコンビニで停車。降りてTさんと話しました。
「久々に着てやはり気持ち悪い。」とだいぶ脂汗をかいてました。
私はT部長に思い切って聞いてみました。
するとT部長は重い口を開きました。
八木山橋は自殺の名所で有名なところ。
心霊スポットとしても有名で色々な異変があるそうでした。
柵が高いのは自殺防止のためのフェンスだったそうです。
Tさんは学生時代バスでここをよく通っていたそうです。
バスのアナウンスも深夜になると後ろを決して見ないでくださいと運転手がするほどの場所だそうです。
首なしの人や血だらけの者も見たとか、橋手前で事故が起きて死んだ者も多いそうです。
「年配の女性の婆さんがずっと俺を手招きしているのミラーから見えた。」と聞くと私はゾッとしました。
私だけでないんだと思いましたが恐怖で膝がガクガク震えてしまいました。
車の異変も話し、「とにかく慎重に帰りも通る時に走ってくれ。悪いが頼む。」と言われました。
再び車に乗り、八木山橋を通り帰ることにしました。
車の時計が14:10のまま固まってました。
車を走らせて、再び八木山橋へ。
最初の異変はありませんでしたが、やはり不気味というか気持ち悪さがありました。
最後橋を渡る時にバックミラーに目をやった時でした。
後続車は全くなかったのですが、橋の真ん中で小さい小学生くらいの野球帽をかぶった子が手招きしてるのです。
笑顔でニコリと。ただその男の子には膝から下が無く、膝が血の色のように赤く見えたのです。
私は(速く渡りたい。無事に渡らせてくれ!!)と願い何とか走り通過できました。
その先の電柱で車が追突して男性が頭の上から血を出していました。
橋を抜けた後、時計が14:10から動きだしました。
以後は無事に何事もなく帰宅できました。
T部長は帰ってから原因不明の40度の高熱で暫く仕事を休んでました。
私は理由は聞きませんでした。
一年くらい前に人気芸人の番組でも八木山橋の特集があり、見たら本当に怖い場所だったんだなと改めて思いました。
もう二度と行きたいとも思わないし、行かないです。
もし、Tさんのいう事を聞かずに速度を出してわからず走っていたらどうなっていたのかと考えると今でも怖いです。
恐怖です。そんな八木山橋での恐怖体験でした。
