未解決の神隠し
これは私の父から聞いた話です。
私の育った土地はとても治安が良く、
家に鍵をかけなかったり、
警察が来るのは牛が逃げたくらいという超田舎でした。
父が中学生時代の頃、近所の公園で当時4歳ほどの子供が忽然といなくなりました。
母親が目を離したのは僅か1分程であり、
急に子供がいなくなったということで近所で大騒ぎになったそうです。
誘拐や事故といった両面で警察も捜査しましたが、
結局何もわからず手掛かりすら掴めないまま、
数年が経過した時、近所にあるため池の近くで
車同士の衝突による交通事故が起こりました。
原因は片側車線の車が急ハンドルにより反対車線に入ってしまい、
正面衝突したというものでしたが、
急ハンドルをした車の運転手の証言によると
池の方から子供が飛び出してきて
避けようとしたとのことですが、
そのような証言は他にはなく、
見間違いだと判断されましたが、
その後近所では数年前にいなくなった子供が
池に沈められていてその幽霊が出た、
という噂が広まっていきました。
その後、この池の周りで子供の霊を見た。
片方でのない子供の幽霊を見た、
人魂が飛んでいるのを見た。
等の証言が増えていき、
ついに消防署に池の水を抜いて調べろ
とまで言う人たちも現れましたが、
幽霊で消防や警察は動くはずもなく、
また数年が経ち、遂に地元の消防団が、
池の水を抜いて池の下を調べましたが、
子供についての情報は何もなく、結局、
この噂は噂ということで話はまとまりました。
今ではもう捜査もされていないとのことですが、
今でも昔からこの辺りに住んでいる人の間では
たまに話題に上がる怖い話です。
かくれんぼ中に起きた神隠し
これは私がまだ小学生だった頃の話です。
私には家こそ少し距離が離れているものの
昔から仲の良かった幼馴染がいて
今でも実家に戻れば会う関係なのですが、
小学生の頃、よく近くの広い広場で
私と幼馴染と幼馴染妹の3人を含めた学校の友達と遊んでいました。
その日も友達10人ほどでかくれんぼをしており、
私と幼馴染が鬼として友達を探していました。
当時は小学生ということもあり、
5時の時報とともにかくれんぼ中でも
広場の入り口に集まって解散というルールがありました。
そして私と幼馴染は幼馴染妹以外は見つけられましたが、
その日は幼馴染妹は見つけられませんでした。
しかしいつもなら時報がなるとともに
出てくるはずの幼馴染の妹は
いつまでたっても出てきませんでした。
おかしいなと思いつつ
みんなで名前を呼びながら探しましたが、出てきません。
すると家の近かった私の母親が私を迎えに来ました。
私は幼馴染の妹がいないということを告げると
母親も一緒に探しました。
それでも見つからずやがて近所の人も加わって
探しましたが見つかりません。
幼馴染の家にも確認しましたが帰ってもいません。
日が暮れてしまったら警察に通報しようという話にもなってきた中、
私は幼馴染とともに必死に幼馴染の妹を探しました。
その時、広場の周りは大きな木で囲まれているのですが、
私と幼馴染の前の木の一本が大きく不自然に揺れました。
なんだ?と思っていると木の陰から
幼馴染の妹が泣きながら現れました。
私と幼馴染は安心しましたが、
幼馴染妹を落ち着かせて話を聞くと、
どうやらかくれんぼをしていて
時報がなったのでみんな所に戻ったが、
誰も自分に気がついてくれない。
声をかけても身体に触れても全く反応してくれない。
自分は目の前にいるのに誰からも見られておらず
みんなが自分を探している。
そこで私はここにいるということを示すために
私と幼馴染の目の前の木を揺らしていたところ
突然元に戻ったのとことです。
それ以来、このようなことは起きていませんが、
あれがなんだったのかはよくわかっていません。
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