これは私の友達H君から聞いた話です。
一年前、H君は大阪の専門学校に居た時の同級生に呼ばれて、
同級会に参加するために秋の初めにバイクの新車のツーリングもかねて大阪へ向かいました。
久々の大阪で専門学校の同級生の人達と飲んだり楽しいひと時を過ごしました。
H君は自営業を営んでいて、数日お店は休みにしてくつろぐ予定でした。
同級生のK君が枚方市に住んでいて、ひらパーことひらかたパークで遊ぼうということになりました。
K君の家に泊まることになり、H君はK君や数名の友達とひらパーで楽しみました。
午後になり、K君はアパートから近くの山田池公園が、
バーベキューや軽いプチキャンプ体験できるということで全員で向かいました。
一旦K君の家に荷物を置き、食材やビール等を買い、歩いて山田池公園に行ったそうです。
家族やカップル等も来ていて、池の周りの景色もなかなかよく、
肉を焼きながら話をしてビールを飲んで過ごしていました。
やがて夕方になり辺りは暗くなり、キャンプしている一部の人以外は人が少なくなってきました。
H君は暗くなりましたが、池や自然の美しさとお酒もすすみ楽しんでいました。
H君はトイレに行きたくなり、一旦その場を離れました。
トイレを済ませて帰る時に池の近くの木々に目が行きました。
すると背の小さな年配の顔が皺くちゃのお婆さんが木の陰からH君を見て覗いてました。
H君はその場に足を止めました。
そのお婆さんの表情が怒っているようで、じっとH君を睨み続けているのです。
H君は「あ、あのどうかしました?」と聞くとお婆さんは何かを呟いて姿を消しました。
スッと居なくなり、H君はちょっとびっくりしました。
仲間達の所に戻り、気を取り直してお酒を飲み再び語りました。
しばらく話して笑いながら語っていると、奥の木々から再びお婆さんの顔が見えました。
ですが今度は先程と状況が違いました。
お婆さんの顔の位置がやけに木々の高い場所にありました。
自分の背と同じくらいの位置にいるのです。
しかも、お婆さんの上半身の胸から下が全く無かったのです。
しかも今度は口から血が流れているように見え、何か怒ってH君に言ってるようでした。
H君は酒が強くて簡単に酔う人ではありません。
酒豪で飲み会は明け方まで飲むほどの猛者です。
この時点でビールは3本しか飲んでませんでした。
しかも、そのお婆さんが何かを言ってます。
怒った顔でH君に向けて何かを言っているのです。
夜とはいえ、真っ白で皺くちゃな顔に怒りの表情がとてもおっかなくなりました。
他の友人がH君が呆然としているのに気づき、どうしたのかと問われました。
H君は後ろの森の木々にお婆さんが怒ってこちらに何かを言っていると指さしました。
その時H君からはお婆さんがしっかりと見えていたそうです。
しかし、振り向いた友達は言いました。
「見たけどお婆さんなんていねえじゃん。本当?」
H君がお婆さんの居た所を見ると、さっきまで見えていたはずのお婆さんは影も形もありませんでした。
H君はぞっとしました。
さっきまで確かに見えていたのにいない。
急に寒気を覚えました。
その後、H君は酒が美味くなくなり飲むのを止めました。
K君はそろそろ公園で飲むのを止めて帰ろうと後片付けを始めました。
H君はさっき見たお婆さんが居ないか見回しながら片付けましたが、見えませんでした。
撤収し、H君達は帰ることになりました。
帰り際、ふと森の方を見ましたが特に何も見えませんでした。
ですが、H君はお婆さんの怒り何かを訴えていた形相が忘れられず、不気味でした。
K君の家に着ましたが、再び飲もうとしましたが、
急な腹の痛さと心臓が何故か運動したわけでもないのにバクバク鳴っていたので、
止めて直ぐに布団に入り寝てしまいました。
その後何もありませんでした。
ですが、H君は今でもそのインパクトは怖くて忘れられないと、先日飲んだ時に私に教えてくれました。
山田池公園で特に事件があったとか、怖い体験があったとは調べてもわかりませんでした。
もう枚方には行きたくないと怖がってます。
あの日H君が見たお婆さんは何だったのでしょうか?
そんなH君の怖い体験話でした。

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