この話は、私の実体験ですので、作り話などではありません。
元々私は霊感などは一切ない方でした。
受験の忙しさやストレス、寝不足からよく金縛りに合うようになっており、もう慣れてしまっていました。
金縛りという状態も、体が寝ていて脳がおきているだけだという知識もあったので、
なんとも思っていませんでした。
実際に、霊のようなものを見る時もありましたが、
所詮夢の続きで現実ではないというのも理解していました。
ところが、その日はいつもの金縛りとは何か雰囲気が違ったんです。
金縛りが来る時は、「きたきた」という予感がして非常にわかりやすいので、
今回も「いつもの金縛りがきたなー」という感じでしかありませんでした。
その日の金縛りは、小さな女の子が出てきてベッド脇でじーっと私を見下ろすという種類のもの。
目を開けるとおかっぱ頭の小さな女の子が私を見下ろしていました。
もちろん身体は動きません。
早く終わらないかな、とぼーっとしていると、不意に私の腕が持ち上がり、
その女の子に腕を抱き抱えられました。
そこまでは今までの金縛りでも有り得るレベルでした。
いつも通りなるべく体に力を入れず金しばりがとけるのを待っていましたが、
いつもより長く一向に解ける気配がありません。
だんだん身体が痺れてきました。腕も痛くなってきました。
息苦しくなった瞬間、すっと金縛りが解けたのです。
朝起きて、今回の金縛りは長かったな…と思って、
何気なく掴まれた腕を見てみると、
まるで小さい女の子に掴まれたような
細い指くらいの赤い跡が私の腕にくっきりと残っていました。