池袋東口の喫茶店Tの2階の階段
私が最初Tの噂を聞いたのはまだ高校生の頃でした。
ネット上で、Tの外の階段は必ず霊が出るという噂を聞いていました。
なんでもTが入ったTビルはとても古く、
様々な曰くがあると聞いた事があります。
少し話は脱線しますが、
池袋は心霊スポットがとにかく多いです。
有名なところですと巣鴨プリズン(現在は池袋サンシャイン)などでしょうか。
タカセビルは一階で菓子パンの販売を広く展開していて、
一見普通のパン屋さんのチェーン展開に見えます。
暑い夏の8月のある日、
私は興味本位で友人と共にTに肝試しに行こうという話になりました。
知らない方に説明すると、
タカセは同じビルに三つカフェを持っています。
そのうちの二階のカフェラウンジの階段が問題の心霊スポットです。
心霊スポットは夜に行った方が盛り上がるので、
夜の19時頃にいけふくろうの前で友人と合流しました。
その時から私はかなりワクワクしていたので、
寄り道などをせずにすぐタカセに向かう事になりました。
到着したら、まずは偵察です。
階段が怖いというのでエレベーターを
使わずにあえて階段で二階まで行きました。
ちなみにこの段階ではまだ心霊現象は起こらず、
少し余裕が出た私と友人はカフェラウンジで2時間ほどお茶をしました。
友人と色々なプライベートの話に花が咲き、
私は心霊スポットであるという事を
すっかり忘れて楽しんでいたような気がします。
しかし、恐怖はここからでした。
さんざん楽しんで会計を済ませた
私達が何の気もなしに階段の横を通ろうとすると、
三階から、真っ青な顔をした5人の
家族連れのような集団が生気のない感じで降りてきたのです。
三階は店舗はなく何もないスペースであったはずです。
その集団を見た途端言いようのない恐怖を覚え、背筋が寒くなりました。
と、それと同時に、誰も触っていないはずの、
階段に立てかけてあった掃除モップが大きい音を立てて倒れたのです。
心霊体験は以上ですが、
あの家族連れは間違いなくこの世に存在する人たちではなかったと思います。
それは理屈などの話ではなく、本能や直感の一つだったと思います。
そんな感じで、18歳の夏の忘れられない思い出になりました。
それからTにはちょくちょくお茶をしに行きますが、
行くのは9階のラウンジばかりで、あの恐怖を感じた私は
2階のカフェラウンジの階段には二度と訪れない事でしょう。
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