●初めての出会い
私が務めていた中学校はそこまで古い作りではなく、嫌な雰囲気もないので、
いつも遅くまで学校に残っていて、残務をこなしていました。
用事があり、夜の教室に一人で行くこともありましたが、特に変わったこともなく、平気でいました。
そんなある日、私が某村立中学校で働き始めて9ヶ月がたった時のことです。
仲の良い職員と一緒に夜7時頃、学年の掲示物を整理するため、2回の階段で作業をしていました。
すると、突然2階の奥の教室から「ダンッ!」と何か大きなものが落ちた音がしました。
全員聞いて、驚いて全ての教室を見に行ったのですが、特に何も無く、いつの間にかその事も忘れていました。
●昼間の教室で
そんなある日、全校集会で生徒達を廊下に並ばしていた時です。
全員廊下に出したはずなのですが、ふと教室を走る小さい子が横目に見えました。
「早く並んで!」と教室を見ると、誰もいないのです。
「今誰かいたよね?」一緒に並ばしていた先生がいいました。
その教室は2階の奥の部屋でした。
●引き付けられる
そして、またしばらくしたある日の夜。
教室に用があると言って2階に上がっていった先生が慌てて戻ってきました。
「今、廊下を歩いていたら、○組に引っ張られた」
その先生には私が体験した話をしていたので以前から不審なことが続いていたのは知っていました。
そこで、数名で確かめに行くことになりました。
電気をつけて、あたりを見るもとくに何もありませんでした。
戻ろうとドアに向かうと柱がメキメキと言い出しました。
慌てて走って戻りました。
その後、特になにか起きることもなくなりました。
●不審は確信に
それから新年度になり、霊感が強いという先生が赴任してきました。
その時の話をして、何か感じるか聞くと、特にないというのでやっぱり気のせいだったと私たちはスッカリきにしなくなり、その事があったことも忘れていました。
それから3年が経ち、妖怪が見えるという、ちょっと変わった生徒が入学してきました。
よく具合が悪くなり、保健室で休む子でした。
先生達は面白がってその子の話をきいていたのですが、霊感が強いという先生だけは親身に話を聞いてあげていました。
そんなある日、その生徒が、霊感が強い先生に、担任の先生にいつも女の霊がついて回っている。
と言うのだそうです。その時、その先生はあのクラスを担任していました。