先週、久々に私が実家に戻ると弟が居ました。
丁度部屋の整理をしていて、軽く話をしたら、私に一枚の写真を見せてくれました。
そこにはジェットコースターに乗ってる時に撮影した写真でした。
そこにはあり得ない物が写っていたのです。
5年前です。
私の弟は工場に勤務し一生懸命働いてました。
電気関係の工場でした。
ですが、景気の悪さと製造拠点を中国や台湾にシフトし、工場も全国にある工場が削減、リストラにあいました。
弟の工場もリストラや異動で人がゾクゾクと消え、ついに弟もリストラされました。
弟は大変落ち込んでました。
ですが、一か月後、知り合いの方から話を頂き物流関係会社の清掃部門担当に採用されました。
再就職し出社するまで失業保険の関係もあったので復帰まで色々と休んだり休養することになりました。
弟は丁度、その秋の初め、中学時代からの友達N君とS君から九州に旅行に行かないかと誘われました。
弟はOKし、長崎のハウステンボスや福岡の屋台に行ったり楽しい時を過ごしていたそうです。
そして、4日目の日は北九州市の方に足を延ばし、スペースワールドに行くことになりました。
弟は遊園地やアトラクションが大好きでした。
スペースワールドの中でザターンという絶叫系の乗り物に興味がありました。
以前いた工場で行った人はなかなか怖くて楽しめる乗り物だと聞いていたからです。
弟はザターンに乗ることにしました。
S君は絶叫系のコースターは苦手で、N君と共に行くことになりました。
約20人くらい乗れるコースターだったそうです。
ほんの数分でロケットスタートし、頂点まで行ったら急降下するアトラクションでした。
この日は人は居ましたが、平日でそんなに激しく混んでいませんでした。
しかも、ザターンに乗る時は天気も良かったのに何故か弟とN君しかいない貸切状態だったそうです。
N君は「記念に乗ってるとこデジカメで撮る!」と小型のデジカメを用意してました。
ザターンに乗り込みスタートしました。
激しい加速とGが掛かりあっという間に進み、頂上まで行き、急降下であっという間に終わったそうです。
弟は面白さと恐怖で叫んでいました
ですが、乗っているときに肩に温度は熱いのに冷たい感触がしたそうです。
一瞬だったそうですが、氷を付けられたような感覚でだったそうです。
N君は叫び楽しみながらもデジカメを落とさない様にシャッターを何度も切ってました。
休憩し、お昼を食べました。
食事してデジカメを見ていたN君が急に黙りこくり暗い顔をしました。
弟達はN君に具合が悪いのかと心配しました。
「いや…そうじゃないんだ。こ、これ見てくれ…」N君はデジカメの画像を見せたのです。
そのにはザターンに乗った時の撮影でした。その内の数枚には、弟とN君の後ろに何か白い靄が写ってました。
それがムンクの叫びのような表情の白い顔と黒い口と目。
ちょっと長い女性のような髪の女性らしき姿が写っていたのです。
弟にも確認しましたが、その時ザターンはN君と弟のみ。後ろの座席には誰一人としていませんでした。
弟はN君から現像した写真を一枚貰いずっとしまっていたそうです。
その写真を私は見たのです。
確かに白い髪の長い女性が弟の肩周辺に小さく写ってました。
私は、白い女性らしき姿が煙のようで無表情で少し不気味に思えました。
近々弟はお祓いに行く予定なのでその時に写真も処分するために探していたのです。
その写ったものはなんだったのか未だにわかりません。
特に弟も友達達もスペースワールドに行ってから何か悪いことがあったということはありませんでした。
そんなスペースワールドもタイムリーに閉園します。
ザターンや周辺に未だに何かがいるのでしょうか?
そんな弟が体験した出来事でした。