千葉県のI市の市役所の裏にあった火葬場跡

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今は廃墟となっているが、昔は人が住んでいて何らかの事件があって住人が居なくなってしまった家や、昔は火葬場として使われていた廃墟等、どこの街に行っても一軒か二軒はあるような気がします。

自分が知っているのは、今はもう整地されて跡形も無くなってしまいましたが、千葉県のI市の市役所の裏に恐らくは戦前(第二次世界大戦前)まで利用されていた火葬場跡の建物が廃墟となって佇んでいました。

自分が通っていた中学校の通学路から山道を下りて200mぐらい進んだ場所にソコはあり、自分が中学生の時分にはその周囲には僅かに田畑があり、山とも荒野とも見分けが付かないぐらいに荒れ果てた場所で、薄暗く気味が悪いという形容詞がピッタリとハマる場所でした。

正規の通学路を変えると遠回りになるので、ショートカットの為に度々その道を帰っていました。

『昔、火葬場として使っていただけで、今は何も無いんだから怖くないよ!』なんて友達と笑い合いながらも、火葬場跡の廃墟前を通る時だけはいつも心拍数が上がっていたような気もします。

また、その場所は夏になるとカブトムシやクワガタムシが沢山採れる穴場としても有名な場所でしたので、夏になると友達と待ち合わせて夜にカブトムシ採りに出掛けました。

まぁ、夜に子供だけで外出する事はいけない事ですので、当時の中学校の先生に引率してもらい、先生の奢りで晩ごはんを食べた後にソコに向かいました。

ソコに着くまでは夏の夜でしたが爽やかな風が吹いており、快適な感じでした。

が、ソコに着き、かれこれ20分ぐらいカブトムシを採っていると、いつの間にかあたりには靄のような、霧のような白い闇が漂って、蒸し暑く空気が淀んだような状況になりました。

中学校の帰り道として何度も通った場所で、勿論、引率してくれた先生も何度も通った事のある場所でしたので勝手知ったる〜という感じで進み、中学校に向かおうとしました。

普通であれば少なくとも10分も歩けば民家のある場所に出られるのですが、白い闇の中を行けども行けどもその場から出られず、先生共々その場に座り込んでしまいました。

……ふと、気付くとあたりは薄明るくなり、自分がたすき掛けにしている虫カゴの中ではカブトムシが元気に動き回りガシャガシャと音を出していました。

立ち上がり、先生と一緒にソコから足を踏み出した時に気付いたのは、自分達が座り込んでいた場所は火葬場跡の今はもう使われていない窯の脇でした。

自然に手を出そうと踏み込んだ我々への戒めか?ソコに眠る何かの悪戯か?正直、何が起きたかはわかりません。

今はすっかり整地され、遠目にも住宅や駐車場が並び明るくなった場所ですが、自分はあの夜以来その場所には近付いていません。

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