印象に残っているのは、夜、眩しさで目が覚めたことです。
私は何故か「あれ、ドアを開けっぱなしで寝ちゃったかな、
廊下の明かりが入ってきた」などと思いました。
ホテルに来てドアを開けっぱなしにしたことなど一度も無いので、
何故こんな発想になったのか分かりませんが、とにかくその時はそう思いました。
そして身を起こし何気なく化粧台の前の籐の椅子に目を遣りました。
この籐素材であるはずの椅子の背もたれが、スクリーンのように光って
「横に移動する」何かを映しているように見えました。
この時も寝ぼけていたのか、「廊下の人の往来が椅子に反射して映っている」と思っていました。
でも次の瞬間、今まで横移動だった何かが、背もたれに巻き付くような縦回転の動きに変わったのです。
この籐の椅子は背もたれと座る所(座)の間に少し隙間がある構造になっています。
丁度、縦回転式の幟のような感じです。
分かりづらくすみません。
私がその状況を理解できずにいると、横で寝ていた人が
「目が覚めたの?」と話しかけてきて、そのまま二人とも寝ずに起きていたので
夢でなかったのは確かだと思います。
念のために言っておくと、ドアは普通に閉まっていました。
このホテルのお話をもう一つさせてください。
こちらは友達のお母さん(以下Nさん)がそのホテルで清掃の仕事をしていた時の体験です。
Nさんは豪胆な人で、誰にでも遠慮なく話しかける人です。
ある日、Nさんがいつもどおりホテルの清掃をしていたところ、
気づいてみたら自分以外にもう一人いることに気付きました。
「あれ?手伝いに来てくれてたの?」と言っても返事が無かったので、
ちょっとムッとなって「でも声くらいかけてよ」と言うと、
次の瞬間その人影が音も無く足元に移動してきていたそうです。
拭き掃除をするような屈んだ姿勢で顔は見えなかったと言います。
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