岡山の古い病院で霊と会話した患者さんの話

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岡山に住んでいた頃の話です。

とある医療法人の病院に勤めていた時のこと、

その病院(H病院とします)では入院患者さんがおられる亜急性期病棟がありました。

私はそこで夜勤を含む交替制の勤務についていました。

昭和初期に出来た病院で、内装は古いものでした。

病室も個室はありましたが使われていない5階にのみ、

入院棟として稼働しているのは2階、3階、4階でした。

5階には浴室があり、患者さんが入浴する際にはそちらまで誘導することもあったので、

完全に閉鎖されているという場所ではありませんでした。

5階に入浴のお手伝いに行く時、誰も入っていない

階の薄気味悪さは3年働いても常にありました。

その階に限らず、どの階も設計構造的に今ではないような変わった作りをしていて、

それも相まって「自分が入院するとしたら、いやだな」と感じる雰囲気のある病院でした。

4階に4床、4人のベッドが横1列に並ぶ病室があります。

もちろん1ベッドずつ区切られてはいたのですが。

入口からは1床目のベッドが見えます。

そこから右に、2床目、3床目、4床目と並んでいました。

12月半ばほどでしたでしょうか、4床目に入院されていた方がそこで心不全で亡くなりました。

年末年始前の慌ただしい時期、その4床目は暫く誰も入りませんでした。

私が夜勤の夜のこと、午前2時くらいだったでしょうか。

その部屋の3床目のベッドの方(Aさんとします)からナースコールが鳴りました。

女性の方で、小さな声で『ちょっと来てください』と言います。

私は「今から行きますね、お待ちください」と告げ、すぐにAさんのいる病室へ向かいました。

真っ暗で、1床目、2床目、3床目のベッドのヘッドライトだけが灯りが灯っています。

4床目のベッドは誰もいませんから、

そのベッドを背にして3床目のAさんと顔を合わせるのにしゃがみました。

ベッドの中で横になっていたAさんは、

「隣のベッドの人が手が痛いんだって。ずっと手をさすってるのよ。見てあげて」と言いました。

歳はそこそこいっていましたが、ボケもなく、はっきりされた方です。

嘘をついたり幻覚とは思えず、私はまさか、と思いつつ振り返ることが出来ませんでした。

「隣のベッドの方はいないんですよ」とだけ、やっとAさんに伝えました。

「そうなの?」そう言って、Aさんは不思議そうに私を見ました。

その時背中に感じた異様な冷たさは今でも覚えています。

暫く動くこともできません。長く感じただけかもしれませんが。

「…今は大丈夫みたいよ」とAさんに伝えられ、

「また痛いって言ってたら教えてくださいね」と逃げるように病室を後にしました。

薄明るくなってから巡視に回っても、なるべく4床目は見ないように。

夜勤明けて交替にきた看護師にあったことを話すと、

4床目が空くたびに時々そういうことがある、ということでした。

いないはずの4床目からナースコールが鳴ったり、人影を見たり……。

それからも、幾度かそのH病院では怖い体験をしました。

古く歴史あるだけに、亡くなられた方も沢山いるでしょう。

自分が亡くなったと知らず、Aさんと会話をしたように、

まだそこにとどまる方も中にはおられるのかもしれません。

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