母から聞いた話です。
母親が働く職場にはいわゆる”見える人”がいます。
その彼が結婚する前に現在の奥さんと体験した話だそうです。
当時交際中だった2人は、海へドライブデートに向かいました。
海岸沿いを歩いたり、海の幸を楽しんだりと幸せな時間を過ごしました。
日も暮れて来たので「そろそろかえろうか」という事になり、来た道とは違う道を通って帰路につきました。
カーナビの付いていない車だったらしく、やはりといいますか、案の定道に迷ってしまいました。
細い田舎道に迷い込み、このまま走っても仕方ない、という事で、
街灯の下に車を止めて2人で地図を確認する事にしました。
2人で地図を見ながらあーでもない、こーでもないと話していると
ダンダンダンダンっ!!!!!
と、後部座席の窓を40代くらいの男性が激しく叩いて来ました。
路駐していた事もあり”うわっ、怒られる〜”と思いながら、
恐る恐る彼が「すみません〜、今車避けますね」と言いながら車から降りました。
しかしそこには誰もいませんでした。
彼女も彼が見える人だと知っていて慣れていたのか
「見ちゃったね〜」なんて話ながら、
結局その日は帰り道がわからず近くのホテルに泊まったそうです(笑)
翌日、ホテルの従業員の人に「昨日こんな事がありましてね〜」と
事の一部始終を話したところ、以前こんな事があったそうです。
40代の男性が夕方、その道を散歩中通り魔に襲われたそうです。
背中を刃物で刺されて犯人はそのまま逃走。
男性は助けを求めるため、例の街灯の所に駐車していた車まで気力を振り絞り走りました。
そして
ダンダンダンダンっ!!!
と車の窓を必死の思いで叩きました。
しかし、その車は驚いてそのまま走り去ってしまいました。
そしてその男性は街灯の下で息耐えてしまいました。
というのが昔その地域で起こった事件だそうです。
彼が車を降りずそのまま走り去っていたら、今頃どうなっていたでしょうか。
そして、その亡くなった男性は助けを求めるため、
刺された場所と街灯の間を今も必死の思いで走っているのでしょうか。
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