私の後輩が車の免許を取ったと言う事で、特に意味もなく夜間のドライブをしていた時の話です。
町中をあちこち走り回りコンビニで食事をしていた時に、
昔友人が住んでいた少し町から離れた山奥をバイクでよく走っていたなぁと思いだし、
そこへ行こうと言う事になりました。
私の住んでた市には空港があり、
飛行機が真上を飛ぶ地域はかなりの騒音で、空港側が補助金を出すので立ち退いてくれと言う事になっていました。
私たちは山道というか、田んぼのあぜ道の様な場所を走っていたのですが、
昔バイクでドライブしていた頃に、その山道から、立ち退き区域に指定された村に抜ける細い道があった事を思い出しました。
今はゴーストタウンの様になってるのかな?見に行ってみようと言う事になりました。
そこは車1台通るのがやっとという位細い上り坂でした。
もう少しで村があった場所に抜けるなとおもいだしたころ、窓が全部開いており、
椅子なども付いていない、乗り捨てられたボロボロの軽自動車が道を塞いでいました。
あぁこれはもう村に立ち入れない用に道を塞ぐ意味で置かれてるんだな、
しょうが無いから引き返そうという事になりました。
ちょうどその車の前で車を切り返すことが出来るスペースがあったので、
私が車がぶつからない様に外に出て車を誘導することになりました。
山の中なので真っ暗でとても嫌な感じで後輩と声を掛けながら誘導していたのですが、
その時ガタガタと音がして、何やってるんだ?という声がしたのです。
後輩に脅かすなよ、と声を掛けたところ、放置された車に向かって話掛けていました。
よく見ると乗り捨てられた車の運転席に知らないおじさんが座っており、後輩と話していました。
何やってるんだ?という声はそのおじさんの声でした。
後輩はすいません道に迷ったのですぐ引き返します、と慌てながら話していました、
私も怖くなりすぐ助手席に乗り込み逃げるようにその場を後にしました。
そこにあった車は窓を全部開け、椅子を倒して人が横になって居たようです、
誰も居ない真っ暗な山奥の道の真ん中で・・
山奥の誰も居ない村の入り口であの人が何をしていたのかは分かりませんが、
今思い出してもぞっとする私の一番怖い思い出です。