もう随分前の話になります、
私の父親が山形県寒河江の出で東京に来てから、一度も帰った事が無く
死ぬまでに一度帰ってみたいと常々言っていました。
そんな時に母が車の免許を取りました。
運転に慣れた頃、山形に帰る話が浮上しました。
確か夏の暑い時期だったと思います。
途中道を間違えながら12時間程掛かった様でした。
子供心にとにかく無い時間車に乗っていたのを覚えています。
夜中に寒河江に付き知り合いの家にその日は泊る事になりましたが、
小さな部落の様な所で東京から帰って来た事が瞬く間に広まり、
家に来てくれ、寄ってくれとそれは大変でした。
3日程で帰る予定が2週間近く滞在しました。
毎日の様に泊る家が変わり私なりにとにかく楽しかった思い出です。
そんなある日、大きなお寺に泊る事になりました。
何でも父親の親戚の家でそれはそれは大歓迎で、飲めや食えやで近所の人達も大勢集まりとても楽しい時間でした。
ここに2~3日泊ってから帰ると話していたのを聞きました。
唯皆さん夜は早く寝る様で、私も早く布団に入りました。
その初日の出来事ですが、皆が寝静まった頃、突然父親が唸り始めました。
何とも言えない呻き声でした。
「ウォー、ウォー」と不気味な声で中々止まりませんでした。
母が起したのですが、そこで話始めた事は、
壁から今までに死んでいった知り合いや身内の物が出て来て、父の布団の周りを取り囲み、
こちらに来い、こちらに来いと喋りかけて来たそうです。
とても怖かった様で汗が凄かった様です。
それきり気持ち悪くなり寝られず、朝朝食を食べ終えて直ぐに出ました。
あれから何十年も経ってからあの時の事を話す事が在ります。