昨年の夏の事です。
私は学生時代にしていたスキューバダイビングを知り合いに誘われ再び再開し日本の海ですが行ける所可能な限り潜りに行きました。
そんな時知り合いのSさんから新潟県の佐渡島の海が綺麗で、クリアで魚も多い。
泳ぎやすいと言われたまたま休みも取れたので数名でSさんの大きな車に乗って新潟県に向かいました。
高速に乗りフェリーに乗って佐渡島に着きました。
自然あふれて空気も良く私に取って新鮮でした。
食べ物もお米や魚も非常に美味しくて、目的の海の中は本当に水質もよく綺麗でした。
大きなコブダイもいたり魚と泳いだりしていいダイビングができました。
泳いだ翌日、Sさんが「次の日に帰るから佐渡の島の中をドライブしよう。」ということになり私達は同意して車に乗りドライブを楽しみました。
色々島の中を車で走り、確か佐和田という所を通り、相川という場所を通過してトンネルをくぐりました。
すると今まで快晴で雲一つなく晴れていていい天気だったのがやけにどんより雲で視界が霧の様でした。
ちょっと狭い山道でした。
夏で天気も雨が降ってるわけでもないのに段々視界も薄くなり何かおかしいと思いました。
車の中にいた20代の女性のHさんが「何か寒気がする…」と震え始めました。
Sさんも「なんか事故になるといけないしちょっと止まるか。」と車を停めました。
何とか周りは見えましたが車を走らせれば先はライトを照らしても見えにくい。
危険だとSさんの判断は正しかったと思います。
ちょっと車を降りました。
Hさんは「気分が悪い。」といい車からでませんでした。
Hさんを残して6人でおりました。鎖が見えたのでそこに手を掛け歩くと「キリシタン塚」と看板がありました。
(え、こんな所。佐渡にキリシタン?)
私は訳が分かりませんでしたが不気味に思えました。
Sさんの指示で皆で一緒に動こうと言われたのでゆっくり動きました。
同じ仲間のTさんが「あ、あんなところに。みなよ。」と指さしました。
その方向を見ると十字架に貼りつけされた白い石像がありました。
無機質でしたが何故か異様な物を出しているように見えました。
「あ、ここ、もしかして…あのTVで…」お寺の坊さんのMさんがそういうと手を抑えて何故かその場で吐きました。
私はこれは、ここはただの場所じゃない。危険だと察知しました。
「み、皆さん。も、もう帰りましょう。」私は必死で全員に呼びかけました。
全員無言で頷きました。
霧も次第に濃くなってきたように見えたのでとにかくゆっくり鎖をつたい元の道に帰りました。
私は振り返りはしませんでした。が、去り際に「ヒソヒソ…」何だか人の囁く声が耳に聞こえました。
私は正直怖かったです。
ですが振り向かずに車に向かいました。
車に全員乗ってSさんは車を出しました。
車を出してしばらく走りトンネルを抜けるとさっきと違い暑く快晴の雲一つない空。
太陽も照ってました。
全員の体調も良くいったいなんだったのかと思いながらも誰も何も言わず宿に戻りました。
夕食時に私は知りました。
そこはキリシタン塚といいキリシタンの教徒が江戸幕府により処刑された場所との事で私は青ざめました。
知り合いたちもタレントがそこに行ったTV番組を見てマリア像が血の涙流したり幽体離脱っぽい画像をみたと言ってました。
Tさんは「あの時胸や背中を誰かに押されたような感覚で圧迫され、殺意というか怨念みたいな黒い塊が見えて気持ち悪くなってはいた。あんな経験初めてだ。」と青ざめて言ってました。
泊まった宿のスタッフの方は「あそこで悪戯して事故で死んだり、ガラスがキリスト像のように手足に突き刺さったりしたものもいるんです。
供養とかだったらいいかもしれませんが絶対行かないほうがいいですよ。」と言われました。
私は何も言えませんでした。その後は普通に車に乗り無事に帰ってこれました。
スキューバダイビングで知った佐渡島ですが、そんな場所があったとは知りませんでしたし、怖い体験は初めてでした。
その後神社等で一応お祓いしてもらいました。日本には知られていない怖い場所があるのだな。
近づいては行けない場所もあるのだなと自身の経験を通して思いました。
