宮城県刈田郡七ヶ宿町某小学校・卒業式にきた霊

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少年の死

昭和五十年の夏休み、

町内の小学校の六年生になる男の子が親戚の人たちと海へ泳ぎに行って、

おぼれ死んだ事故があった。

親はその子をたいそうかわいがっていて、

中学に入るのを楽しみにしていたそうだ。

夏の頃には制服やらカバンやら制帽やらみんなそろえてあった。

そんなときにおぼれ死んだものだから親は泣きわめいて大騒ぎしたらしい。

その子の受け持ちの先生はK先生と言った。

卒業式のときに、

校長先生に

「これまで生きてきて勉強してきたんだから、

みんなと一緒に、せめて卒業証書なりともくれてやってくれ」

とお願いしたそうだ。

中学校に上がれないから小学校の卒業証書をやりたいと親が頼んだのだ。

ところが校長先生ががんこで、

「死んだ者に用はないからいらない」

と言ったそうだ。

K先生は

「死んだ者だからこそくれてやっても差し支えないのではないか」

と随分と論判したらしい。

それでもとうとう校長は首を縦に振らず、K先生は

「せめて遺影だけでも参加させてほしい」と頼んだそうだ。

そうしたら校長先生はしぶしぶ承知したらしい。

卒業式

いよいよ卒業式の日になって、

仲のいい子がその子の遺影を持って座っていた。

そうして、さあ式がはじまるという瞬間。

九時ちょっと前の、一瞬しーんとした厳粛な空気が流れる時間。

そのとき、パタン、という音がして、

体育館の壁の板が外れる音がした。

遺影を持った子のいるすぐそばの小さな板である。

オンボロの木造の体育館だったため、

外に通じるスキマができてしまい、

そこからすうっと外の風が入ってきた。

ちょうどそのそばに、来賓席もあり、

来賓として招かれた地元の寺の和尚さんが座っていた。

そのとき和尚さんは

「お、誰にも呼ばらんねえから、一人で入ってきたか」と、

スキマに向かって声を掛けたらしい。

みんなはぞっとして騒然としたそうだ。

玄関の音

式が終わって、K先生は写真を返しにその子の家にいった。

その子の母親が、実は、と切り出した。

今朝、ああ卒業式始まる頃だと思って、

仏壇の前に座って線香を立て、帽子と服とカバンを仏壇の前に並べたそうだ。

九時ちょっと前に、もう始まる頃だと思って時計を見たとき、

ガラッ、と玄関の戸が開いた音がした。

誰か来たと思ってパッと玄関へ出てみたら、誰もいない。

見ると戸が十センチほど開いていたらしい。

おかしいなと思って戸を開けて外に出たが、

あたりに人影もいなかったそうだ。

K先生が卒業式での出来事を話したとたん、

母親は「あのとき、うちの子は学校へ卒業式に行ったんだ」と青くなった。

そして、二人とも泣いたそうだ。

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