夫は亡くなった後、一か月ほどそばにいてくれました。

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私の夫がガンで亡くなったのは10年前です。

子供は、二人ともまだ学生でした。

夫の病気が見つかった時にはすでに手遅れで、治療の甲斐なく7か月という短い闘病期間でした。

葬儀の数日後、夫とよく行ったショッピングモールに必要な買い物に出かけた時のことです。

子供たちからいきなり「お母さんから菊の花のにおいがする」と言われました。

実は私自身も強く感じており、菊の花の匂いだけでなくお線香の香りもしていました。

そこはショッピングモールの駐車場とモールとの連絡通路で、もちろん匂うものなどありません。

着ていた洋服も喪服などではありません。買い物の前に着替えて自宅を出ました。

ですので、自宅祭壇の匂いが移ったものでも決してありません。

子供たちと「お父さんも一緒に来たね」と言い合いました。

そのあとも、香りだけでなく夜中に廊下でスリッパの歩く音がしたり、家の中で夫の気配がしていました。

ところが、一か月ほど経ったあとは、ぴたりと物音も香りもしなくなりました。

きっと、私と子供たちの生活を見届けて、行くべきところに旅立ったのでしょう。

不思議と怖いと思ったことはありませんでした。

ただ、まだ年若く、しかも成人前の子供を置いていかなければならなかった夫の気持ちを思うと無念であっただろうと思うばかりです。

もう一度、気配だけでも良いので帰ってきてほしいと思いますが、あれからは、はっきりと夫の気配を感じることはありません。

亡くなった夫の享年をずいぶんと超えてしまいました。私が彼岸に行った時に、気づいてもらえるか不安です。

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