私の会社の部署に5月から入ったNさんという女性がいます。
一生懸命で業務を覚える為頑張っている方です。愛想も良くはきはきとしていて好感触です。
先日、会社の部署で有志で飲み会があり、Nさんと話す機会が多かったです。
一次会が終わり、二次会のアイリッシュバーで私と、Nさんと後輩のYくんと先輩のMさんで飲みに行きました。
Nさんは、地元に戻るまで千葉の方で某アトラクションのスタッフや会社で働いていたりしていたそうです。
その際に怖い体験をしたことがあると彼女は真顔で語り始めたのです。
それは2年前の事です。彼女はずっと有名な某アトラクションのスタッフで働いていましたが、疲れと人間関係で嫌になり辞めて、次に就職した所が医療関係の事務の会社でした。
派遣という事でU市の近くに居ましたが、数か月後上司の命で別の市の方に行ってくれと要請がありました。
Nさんの住んでいた所から車や電車で1時間以上掛かる場所でした。
会社に行ったら、マンスリーのレ〇〇○スの場所に住んでいい。
会社が費用を持つとの事で、彼女はアパートを引き払いそちらに行きました。
マンスリーのアパートは様々な人が居ました。
Nさんはそこで生活をし、仕事を頑張っていました。
ですが、気になることが一つありました。
それは夜中になると一番端の右隣の部屋から壁を叩くような音がしたり、太鼓や鐘を鳴らしたような音が聞こえてきたそうです。
Nさんはあんまり五月蠅いと苦情でもいいに行こうかと考えていたそうですが、仕事の疲れで直ぐ寝てしまい、別に眠りも妨げることもなかったので気にしない様にしていました。
休みもほとんど住んでいる人と出会わなかったそうです。
仕事をして数か月、地元からお姉さんが遊びに来たので仕事が休みなので泊まりに来ました。
Nさんはお姉さんと話したり休日を過ごしてました。
次の日も休みだったため、Nさんはお姉さんと話をしていたら夜の1時になってました。
すると壁からゴンゴンと音がしました。
Nさんはいつもの事で直ぐに鳴り止むので気にしませんでした。
が、その日は直ぐに音が終わらずに1、2分おきに音がしてきました。
Nさんは変だなと思いましたが、声のトーンが大きかったのだと反省し、ボリュームを抑えお姉さんと話してました。
が、音はやはり続きます。
ビールを飲んでいたお姉さんが頭に来たのか、「静かにしてるのに向こうがうるさいじゃん!私隣に文句言ってくる!」と言いました。
Nさんはどんな人かわからないので止めとけと言ったのですが、お姉さんは部屋を出て抗議に行きました。
しかし、数分後。
お姉さんは部屋に戻ってきました。
Nさんはお姉さんが少し青ざめて暗い表情に気づきました。
どうしたのかと尋ねると「あんた、あの右側の部屋って知ってた?」と聞いてきました。
知らないと答えると、「あの部屋投函不要のシールが貼ってあって誰も居ない…」とお姉さんは答えました。
Nさんは信じられなくなり、お姉さんと部屋を出て音のする隣の部屋のドアを見ました。
すると差し入れ口には投函不要のシールや電気やガス止めの髪がノブにありました。
Nさんはずっと隣に誰か住んでいるかと思ってましたが、実際にはいませんでした。
ゾッとしたNさん達は部屋に戻り怖くなり就寝。
寝ている最中に壁を叩く音はしませんでしたが、時折鐘の鳴る音が聞こえて怖くてなかなか寝付けなかったそうです。
翌朝、お姉さんと相談し、マンスリーを出ていく事に決め、会社に連絡したら、別の場所にしてやるとお許しが出たので別の場所に移ることになりました。
荷物は最小限しかなく軽自動車一台で直ぐに移れる状態でした。
退去の為にマンスリーの管理会社に連絡した際に、Nさんは隣の部屋について思いっきり聞いてみました。
すると担当者は歯切れの悪い回答をしました。
Nさんが入る前からその部屋は1年誰も入居してないそうでした。
以前その部屋で借金でIT関連の人が自殺し、その後入った人が不思議な体験をしたりおかしくなったりし退去し、それ以来使ってないとの事でした。
Nさんは退去する際にその隣の部屋をベランダ側からみましたが、何もなくフローリングの部屋だけでした。
その後、お父さんの具合があり地元に戻ってきて私の会社に就職しました。
もし、Nさんがあのままマンスリーに住み続けていたらどうなっていたのかと考えると背筋がゾッとしました。
Nさんの恐怖の体験談でした。