カンカン橋での心霊体験(北海道北斗市旧上磯ダム)

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免許を取りたての頃に友人と肝試しがてらに

上磯ダムへ行ったことがありました。

そこは地元でも有名な心霊スポットであり

深夜に橋の上に車を止めてエンジンを切ると、

どこからともなく「カーン・・・カーン・・・」という音が聞こえてくると言う話がありました。

いざ行ってみると、そこはダムの上にかかる橋であり、

街灯が数本ついている以外は静寂な暗闇が支配している空間でした。

「それじゃあやってみるか・・・」とドライバーの友人Aは、話と同じように車を橋の上で止めてエンジンを切った。

静寂の中で虫の声や時々湖面を跳ねる魚の音が聞こえるくらいで、

いくら待っても一切そんな音は聞こえてこない・・・

「なんだ、所詮噂話だったんだな・・・じゃあ帰るか・・・。」

という私の声にAは

「だな。いつまでもこんなとこいてもあれだし、クマが出たら怖いからな・・・」

そんな風に笑いながら、エンジンを再び始動して帰ろうとした時だった。

その瞬間、今までその橋の上を照らしていた街灯が一気に消えてしまい、辺りは一面暗闇に支配されてしまった。

一瞬のことで軽くパニックになりながらも、私は友人Aに

「速くエンジンをかけろ!ライト付けろよ!」と急かしていると、

「カーン・・・カーン・・・カーン・・・」と何処からともなくそんな音が聞こえてくる。

暗闇と急になりだした音に恐怖を覚えながら、ようやくエンジンが始動し

友人Aがライトをつけた瞬間だった。

暗闇を照らし出す白いライトの光の先、約30mくらいであろうか・・・

白い人影のような物が橋の欄干に手を置いているように見えたのだった。

勿論生きている人間ではないとすぐに分かった。

それらの影は全て透けていて、所謂足が無かったのだ。

私達はすぐにその場を後にした。

すれ違いざまにその白い影の横を通ったのだが、顔を湖面に向けてうつむいているようだった。

そしてその手は静かに橋の欄干を叩いているようにもみえた。

「カーン・・・カーン・・・カーン・・・」

あの音の正体は一体何だったのか・・・

あの白い影は一体何だったのか・・・

今となっては確かめに行く気にもなれません。

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