教育実習に来ていた先生がとても霊感の強い先生でした。
一緒に遠足に行ったバスの中で先生が経験した心霊体験を話してくれました。
北海道の函館市の近くにある大沼公園という公園で先生は軍隊と遭遇したそうです。
綺麗な列を作って目的をもって行進している感じだったようです。
先生はそのほかにも日々、霊を見るらしく数珠を身に着けていると言って、その数珠を見せてくれました。
「霊を見る人はいるけど、耳で霊の声が聞こえる人はちょっと注意しなきゃいけないんだよ。」と先生は言いました。
私達は「なんで?」と聞きました。
先生は「霊達は自分達の声が届く人のところに寄っていくから、どんどんその人に憑いて行っちゃうんだ。
それでわかってくれると思ったらその人から離れずにずっと一緒にいたいと思っちゃうんだろうね。」と。
私達は「先生は聞こえるの?」と聞きました。
先生は「残念ながら聞こえるよ。だから先生は連れて行かれちゃうと思うんだ。
でも、そうならないように先生頑張らないとね!!」と言いました。
なんだかバスの中が暗くなったのを感じた先生は
「なーんてね。冗談だよ。本当は聞こえないんだー。」と言って笑ってくれました。
私達はホッとして遠足をたのしんで先生といっぱい遊んで、写真も撮って、
とても楽しい思い出でした。
先生はその後、教育実習を終え、学校に帰ってしまいました。
それから数年後、先生が北海道の田舎に赴任になっていたことを知りました。
それは新聞に先生が単独事故で死んでしまったというニュースが載っていたからです。
私はとっさにあの時先生が言っていた話を思い出し、先生は本当に連れて行かれてしまったと感じました。