楽しいお勉強会のはずが…
これは、私がまだ中学1年生だった頃、
実際に起きた体験です。
私は中学生から高校生を卒業するまで、
熊本県にある私立の女子校に通っていました。
まさか、そこであんな恐ろしい体験をすることに
なるとは思ってもいませんでした。
夏休みに入ったとある日曜日、
私は仲の良かった友人と2人で、
夏休みの宿題を一緒にしよう!という話になったのです。
午後からは部活があったため、
学校の教室をかりてしようという話になりました。
ですが、普段月曜日から土曜日までは、
職員室に先生がいたりするのですが、
日曜日は守衛さんと、部活動の生徒、
教員以外ほとんどいません。
そのため、必要のない校舎は閉鎖されます。
その日も、高校の校舎の地下室にある自分達の部室の入口、
体育館の入口を除き、全て施錠されていました。
私達は、地下に繋がる入口から高校校舎の2階まであがり、
連絡通路を通って中学校舎の3階まで上がったのでした。
迫り来る恐怖
私たちは3階の空き教室に入り、
冷房をつけて勉強を始めました。
しばらくするとお互い集中モードに入り、
2人とも黙々と勉強をしていました。
すると、教室の棚や、後ろに積んである机や椅子が、
パチン、パチン、と奇妙な音を立て始めたんです。
友人が気にしていましたが、
私は室温が変わったせいで物が軋んでるんじゃないの?と
言って流していたんです。
しばらくしたら収まるだろう…
そう思っていました。
しかし、時間が経つにつれて段々音は激しさを増していきました。
数分に一度、という感覚でしたが、
気づいた時にはずっと部屋中が鳴り続けている様な異常な状態でした。
音も、パチン、という小さな乾いた音から、
まるで木が裂けるような、
バキンという大きな音に変わっておりました。
私も友人も、その時には完全に怖くなっており、
顔を見合わせるととても向こうは不安げな顔をしていました。
私も、得たいの知れない恐怖を感じていたので、
「どうしよう、もう部室行く?」
と話をしていたところでした。
するとその時、後ろで一際大きな音がなったんです。
部屋中に響きわたる程大きな音で、
パーーーーンと鳴ったんです。
私達は、ばっ!!と後ろを振り返ったまま、
恐怖でそのまま動けず固まっていました。
数十秒なのか、数分なのか、時間も分からないくらいでした。
すると、教室の前の入口から、見廻りの守衛さんが教室をあけてきました。
幽霊でも出たのかと思い、私達はびっくりして
「ぎゃあああああああ」
と大きな悲鳴をあげました。
守衛さんだとすぐに分かり、
それまでの恐ろしさで一杯だった緊張感が嘘の様にとけ、私達は安心しました。
守衛さんと会話し、
「最後冷房と電気だけおねがいね~」
と言い残し彼は去っていきました。
守衛さんは、私から見て廊下を右に向かって歩いていきました。
本当の恐怖の幕開け
教室から見た廊下側の窓は、すりガラスが使用されていました。
なので、ぼんやりと守衛さんの姿が見えるような感じでした。
右側にあるトイレの入口もぼんやりと見えています。
守衛さんが見えなくなるのを私はずっと眺めていました。
そして…見えなくなってすぐ、異変は起こりました。
守衛さんが通り過ぎた後、
トイレの入口から小学校低学年くらいの、
丸刈り風の少年が2人出てきて、
左に向かって走り去って行ったんです!
私はビックリして一瞬固まってしまいましたが、
直感でその子供達が生身の人間で無いことはすぐにわかりました。
ちなみに、友人は私の方を見ていたため、それを見たのは私だけです。
私は、恐怖でいてもたってもいられなくなり、
友人に、この場を離れて部室で勉強をしようと薦めました。
友人も何かただならぬものを感じたのでしょうか。
私たちは慌てて片付けをして教室を後にしました。
私は右か左か、どちらに逃げるか迷いました。
右にいくには、トイレの前を通過して階段を一つ下に降りなければいけません。
また、階段の踊場には鏡があります。
逆に、左に行くとエレベーターがあります。
エレベーターの中にも鏡がついています。
私は、足で逃げるより、機械で逃げる方法を選びました。
エレベーターに乗り、私は一つ下の2階を押したのです。
間違いなく押しました。
しかし、ドアがしまり再び見ると、
地下1階のボタンだけがついていたのです!
私は一瞬で焦り、恐ろしくなりました。
友人に、ボタンを触ったか聞きましたが、
友人はやはり触っていないとのこと。
学校のエレベーターは、動くのがゆっくりだったため、
私はエレベーターが動き出す前に慌てて2階と1階を押したのです。
けれどボタンが反応することはなく、
そのまま地下1階にエレベーターは向かっていきました。
恐怖心はピークに達していました。
地下について扉が開くと、
そこは窓もなく、灯りも消えているため真っ暗闇でした。
私たちはパニックになり、ボタンを押し続け、
やっとボタンが反応したので、
2階まであがりそのまま部室まで一目散に走って逃げました。
3>終わることのない恐怖
中学の校舎から走り去り、
部室に戻った私達はお互いブルブル震えていました。
少し落ち着いてから私は、
自分が見た少年達のことをそこで友人に伝えました。
周りの子に話すと怖がるだろうから…と思い、
私達は周囲に話しませんでした。
そんな身の毛のよだつ出来事から一週間後、
今度は別の友人がそのトイレの中で恐怖体験に遭ってしまいました。
彼女も、同じように全身を震わせながら部室に逃げて来たのです。
彼女からその話を聞き、びっくりして私もその友人に自分の体験を伝えました。
本当に、私が見たあの子供達は何だったのでしょうか?
今では知るよしもありません。
それ以降、学校生活の中で、
私達は無人の校舎に立ち入ることは一切なくなりました。
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