大学生の時に私は本気で怖い体験をしました。
大学生の夏休みは半分が休み。
そのうちの半分をバイトして半分を遊びつくすと考えていた私は地元のプールで監視員のアルバイトをしていました。
プールといっても田舎のプールですので、お客さんは非常に少なく大概は家族連れで溺れる心配もあまりありません。
ある日、私はいつものように監視台に座って水深が深いプールで遊んでいる家族を監視していました。
お母さんらしい人、中学生くらいのお兄ちゃん、そしてお父さんが赤ちゃんを背負っている状況です。
ここまでは普通の状態なのですが、私はある異変に気付いたのです。
お父さんの背負っている赤ちゃんの首がおかしいんです。
一見普通なのですが、首が一周以上回っているんです。
私はこれはおかしい!と思って目をそらそうとしましたが、身体が動きません。
すると今まで横を向いていた赤ちゃんの首がさらに1周半回って私の方向へ向き、赤ちゃんはニコーッと私の顔を見て笑顔になりました。
私が覚えているのはここまでです。
次に気がついた時は医務室で熱中症で倒れていたとのことでした。
あの日、あの時に見たものは私には全くわかりません。
でも、後から知ったのですが、私がその赤ちゃんを見た日は昔、プールの排水溝に巻き込まれて子供が亡くなった日でした。
排水溝の巻き込まれた事件のあったプールとは場所は違いますが、私には関連性があるようにしか思えません。
あの日、亡くなった子供は今もどこかのプールで遊んでいるのでしょうか?