私の知り合いから聞いた話になります。
その方は昔から霊感が強く、私たちが街中で人が見えるのと同じように霊が見えるそうです。
霊を見慣れているそうですが、絶対に目を合わせない、しゃべりかけられても気づかないふりをするようにしていて、ついて来られたりするのを避けていました。
その方は市街から離れた一山奥の集落に住んでいて、帰る道はグネグネカーブが続く山道です。
その連続カーブの道を利用してるローリング族も多く、バイクや車の事故で何人もの若者が命を落としている場所でもありました。
その方は毎日その山道を帰るのですが、電灯もなく車のヘッドライトだけが頼りの本当に真っ暗な道は慣れているとは言え怖いそうです。
ある日から、同じ場所で「お母さん」とはなしかけられるようになりました。
姿かたちは見えずただ声がするだけです。
聞かない、話かけないと決めていたので毎日無視を続けました。
ところが毎日聞いていると「お母さんが…」と聞こえるように。
無視を続けていたのですが「お母さんが…」の続きが気になり、ついに話かけてみる決心をしました。
「お母さんがどうしたの?」そうすると見えないその声はこう答えました。
「お母さんが毎日仏壇の前で泣いている…」そう答えたそうです。
そのことをどうしても誰かに聞いて欲しかったのか、その日以来声は聞こえなくなったそうです。
その声が聞こえた場所はバイクに乗った若い男性が亡くなったところだったようです。
即死状態だったとのことなので、自分の死を受け止められずそこに留まっているのかもしれません。
また自分のことを想って毎日泣いている母を心配してなかなか成仏出来ないのかもしれませんね。
成仏してくれることを祈るばかりです。