これは私が小学生位の時に、父の実家に帰省したときの話です。
毎年夏休みに1週間くらい泊まりに行っていました。
私たちは関東に住んでいるのでめったに泊まりに行かれないので夏休みが楽しみでした。
おばあちゃんの家は昔、宿のような事をしてたみたいで、
20畳くらいの広い畳の部屋が家の奥にあります。
今は誰も使っておらず、親戚が泊まりに来たときはみんなその部屋に寝ます。
私たちもそこに布団を引き、寝ることにしました。
昼間は暑いくらいだったのですが、夜にはひんやりしてきて、
急に雨が降ってきました。
かなりのザーザーぶりで障子を閉めても雨の音がするくらいの大雨でしたが。
母が、
「何か赤ちゃんの泣き声がするね」
と言ったのは覚えているのですが、
長距離の車に疲れた私たちは気に止めず、すぐに眠りにつきました。
次の日の朝はすっかり晴れていました。
朝食の時に、母が、
「昨日のあんな雨の中、女の人が赤ちゃんをあやしていたけど、裏に引っ越ししてきたの?」
とおばあちゃんに聞いていました。
おばあちゃんは、どんな人だったかなど、母に詳しく聞いていました。
「髪が長い若い感じの女の人だけど、あんな雨の中外であやさなくてもよいのにねぇ。」
と母が言いました。
すると、いつもニコニコしているおばあちゃんが真剣なまなざしで、
「その人は赤ちゃんと一緒に亡くなった人なんだよ。」
と話してきました。
昔、裏のお宅で赤ちゃんを産もうとして赤ちゃんは死産で、
お母さんも亡くなってしまったらしいのです。
母は話を聞いてかたまって鳥肌がたっていました。
私達が行ったのはお盆の時期だったのでお家に帰ってきてたのかも知れませんね。
それ以来、母は障子を必ず閉めてねるようになり、その窓のほうには近づきませんでした。
産まれてくる前に死んで逝った冬の子
これは、自分が大学生一年生…20歳の誕生日を一ヵ月後に控えた、19歳最後の初夏でした。 16歳の時に初めて金縛りに遭って以来、ちょくちょく金縛りに遭っていたのですが、大学生の時はピークで、酷い時は二~三日に一回は遭っている、という頻度...
コメント