湖近くの古びた旅館で起きた怪奇現象(甲信越方面と聞いています)

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私の友人の兄から聞いた話です。

友人の兄(仮にAさんとします)は、バイクで旅をするのが好きで、
長期休みになるとぶらりと一人旅に出かけるような人でした。

面倒見が良く仲良くしてもらっていたのですが、本人曰く霊感があるらしく
色んな怪奇現象について聞かされ、その度泣かされていました。

そんなAさんが、高原ツーリングをしたいと山に出向いたことがありました。(甲信越方面と聞いています)

街を抜けて山に差し掛かるまでは晴れていたそうですが、次第に雨が振り始めたそうです。

雨の中、山道でバイクの運転は危険と判断したAさんは
近くに休憩できる場所がないか探してみると、近くの湖に旅館があることに気づきました。

ずぶぬれで移動もできないので、いっそ泊まってしまおうと旅館に駆け込みました。

旅館は、外見こそ古びており変な違和感を感じたそうですが、
他に泊まるところもないので渋々チェックインしたそうです。

旅館の外見に戸惑いはしたものの、内装はしっかりとしており、意外と居心地がよく、
夜になるまで他の観光客と談笑したり温泉につかったりとのんびりと過ごしていたそうです。

しかし、明日に備えて寝ようと床につくと、「コンコン」とドアをノックする音が聞こえてきたそうです。

旅館の人か、他の観光客かと思いドアを開けましたが誰もあらず、廊下に人の気配もなかったそうです。

多少不自然に思ったものの、明日のことを考え、また床につきました。

しかし、また「コンコン」と音がするのです。

仕方なくまた扉を開けましたが、やはり誰もいない。

こんなことが、2度3度起き妙な違和感を感じたAさんは、ノックに対して質問を投げかけました。

「そこに誰かいますか?もしいるならノックを1回してください」

そうすると「コン」と、ノックが1度返ってきたそうです。

そこからAさんは、さらに幾つか質問をしたそうです。

「あなたは生きていますか?生きていれば1回、そうでなければ2回」

すると「コンコン」

次にAさんは、

「あなたは男性ですか?男性なら1回、女性なら2回」と聞いてみると

「・・・」ノックが返って来ない

そこで、Aさんはまた

「まだそこにいますか?いれば1回ノックをしてください」

すると「コン」と一度返ってきました。

キリがないと思いながら次の質問をしたそうです。

「あなたは、1人ですか?そうならノック1回、そうでなければノックを2回してください」

そうすると

「コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン」

どうしたことか、凄まじい程のノックが返ってきたそうです。

その瞬間に、Aさんは気分が悪くなり倒れてしまったそうです。

翌日目を覚ますと、ドアの前に倒れてはいたものの、
昨日のことが嘘だったようなくらい、体はなんともなかったそうです。

そして、自身が体験したことを旅館の方に話した所、実は近くの湖では
稀ではあるが身投げをして命を立つ人がいるという事と旅館に泊まったお客さんの中には
自分と同じように怪奇現象にあった人がいるという事を聞かされたそうです。