東京の在る町、昔狐が嫁入りしたとかで狐塚通りと言うのが在ります。
滝野川と言ってとても古い町です。
此狐塚通りの傍にある家で色々な事が起こったのです。
私が小学生の頃の話で、二階建ての木造一軒家での事です。
夜になると外はとても静かで当時はコオロギの鳴き声が良く聞こえました。
私の父が霊感のある人で、良く宴会などで心霊の話をしていた様に覚えています。
ある日、一階でテレビを見ていた時二階で戸を開けたり閉めたりする音が聞こえて来ました、
確か誰も居ないはずなのですが、
父がおまえ、友達が来ているのか、と、言われた時はゾッとしましたが、
気持ち悪いので階段を駆け上がり部屋を覗いたりしましたが、勿論誰もいません。
こんな事が何回か在りました。
又ある時は、一階で家族で食事をしている時には、玄関がガラガラと音をたてて開いたのです。
これは皆聞いていて、誰か来たと思いましたが行って見ると誰も立って居ません、
外も見たのですが誰もいませんでした。
この家には何かあるのではないかと思います。
家族が寝静まって、私も布団に入り目をつぶっていた時の事、
何とお風呂場から桶でお湯をすくって頭からザーザーと掛ける音が聞こえて来ました。
これは怖かった事を未だに覚えています。
最初は怖くて布団をかぶっていたのですが、
確かに誰かが風呂に入っているこれは間違いない、
そのままにしておけず布団から出て風呂場まで見に行きました。
この時の恐怖は人に話しても中々信じて貰えません。
行くと電気は付いておらず、そっとドアを開けて中を覗いたのですが、誰もいませんでした。
そのまま布団に戻り頭からかぶり寝ました。