私の住んでる近くに大学病院があります。
小さい頃はよく大学病院の庭で友達と遊んだりもしてました。
裏手に行くと廃墟らしい使われてない病院関係の建物があります。
そこには昼間でも変な声が聞こえてきたり、犬の鳴き声や、うめき声が聞こえてきます。
そんな病院の近くで大人になるまでよく友達と遊んだりしていました。
大学病院前交差点には車の事故か何かで亡くなったと思われる方の花束が信号の角に置かれています。
その花束は枯れてから、いつも新品に取り替えられていました。
どんな人が亡くなったのかなと気には成っていました。
大人になってからも気には成っていました。
私が21歳になったある日、夜中の夏の2時に、いつもどおり大学病院前の長い歩道を自転車で帰宅してたら、両方向かい合った人達が立っていました。
女の人と男の人です。
年齢は二人とも18歳前後かと。
その二人の横を自転車で通り過ぎました。
何気も無く気にせず漕ぎ続けました。
長い一本道を通り過ぎる時に曲がり角を曲がろうと思ってたら、ふと冷や汗が出ました。
今日は一度も雨が降ってない、しかも微動だにせず向かい合ってる。
夏なのにプールや海から上がって来た感じの濡れ方。
ゾットしました。
すぐに振り返ってみると、彼らは居ませんでした。
ありえません。
距離的にダッシュしても見える範囲に居るはずです。
ゾットしました。
震えながら帰りました。
後で冷静に考えてみると。
あの時の霊らしき者達は、大学病院前の花束が置かれた方の姿だったのかもしれません。