私の父から聞いた話です。
父は、退職するまで某セキュリティ会社に勤めていました。
入社当初はある会社の夜中の警備にもあたっていたそうです。
その頃の話です。
その日父はいつものように夜中担当していた会社の警備につきました。
一時間毎に2人交代で見回りに行っていたようです。
全社員が退社していた夜中2時頃、ある男性社員がやり残した仕事があると言って警備室に来て、
時間外入社するための用紙に名前と時間を書き、もう一人の警備員が受付をした後行ったそうです。
その時父が見回りの番でした。
男性社員は電気もつけず一生懸命パソコンの前で仕事をしていたそうです。
遅くまで大変ですねと声をかけると、会釈だけして黙々とパソコンに向かっていたそうです。
数時間が過ぎ、社員の出勤の時間になりました。
そう言えば退社表にさっきの男性の名前がないなと気になって、彼の部署に確認を取ると意外な言葉が。
その男性は昨日の夜中事故に遭って亡くなったとのことでした。
時間を聞くと、ちょうど彼が会社に来ていた2時頃と。
父は血の気が引いたそうです。
魂だけが会社に来ていたのでしょうか。
よほど仕事熱心な方だったのでしょう。
それ以来夜の警備が怖くなったそうですが、配属先が営業の方に変わりホッとしたと言っていました。
夜の警備なんて考えただけでも怖いです。
母は、お手当てが付くのでとてもお給料が良かったと言っていました。
怖い思いをして稼いで家族を養ってくれてありがとう。