ある蒸し暑い夕暮れの日の出来事
ある年の梅雨の頃、中学生だった私は湿気で蒸し暑い中、
友人と自転車で岐路を急いでいた。
辺りはもう夕方を過ぎ、自転車の人力式ライトを点けなければ周りの物はほとんど見えないくらいに暗かった。
途中、私市円山古墳のあたりで車道が狭いので私たちはその道をそれ、
車一台がやっと通れる田んぼ沿いの道路を走ることにした。
冗談を言いながらダラダラと自転車をこいでいる時、友人が急に止まった。
「どうしたのか」と私が聞くと、友人は田んぼのほうを向いたまま一言
「あれを見てみな」と田んぼのほうを指さした。
ゆっくり動く青白い光
その先にあったのはまるで浮いているようにゆっくりと動く青白い光だった。
地面からの高さはおよそ1メートル。
それを見た私は「誰かの懐中電灯の光」だと思った。
実際、田んぼと田んぼの間のあぜ道をその光は移動していた。
しかし、しばらく見ているとその光は、道など全くない水田の上へと進んでいった。
そしてその高さも急上昇して3メートルぐらいになった。
さらに先ほどとは全然違う速度(時速20~30キロ)で
東のほうへ飛んでいき、山の際の林の中に消えていった。
その後、友人は「火の玉だな」と言いましたが、
私は恐怖を覚えたためそのコメントに反抗することしかできなかった。
自宅まで全速力で自転車をこいで帰った後も私の背筋は凍ったままで、
気温のわりに全く汗をかかなかったのを今でも覚えている。
現在の現場
たまに周辺を通りますが、
「青白い光」が飛んでいた田んぼと私たちが通った道はそのままです。
ちなみに光が消えた先には古い墓地があり、
時期によっては今でも「青白い光」が見られるかもしれない。
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