高尾への移住
当時私は田舎から進学で上京しました。
そこは寮生の専門学校で、正直東京に住めるというだけでワクワクしていました。
しかし目的地に向かうにつれて電車から見える景色は閑散としていき、目的地の高尾に着いた時は若干落胆しました。
(田舎とそんな変わんないじゃん)
まぁ、目的は勉強でしたので、とりあえず学校に向かう事にしました。
駅でもバスでも学校周辺でもやけに獣臭いな、とは感じていたのですが、
緑が多い場所なので致し方ないと思っていたのです。
歓迎会はエロ話と怖い話
入学して数週間後、男子寮で歓迎会がありました。
二年制の学校なので、先輩たちがいます。
年頃の男が集まるので話題はエロい話に・・・
その後先輩の悪ふざけなのか、怖い話になったんです。
何か学校周辺で白い服を着た女が出るとか、寮にお化けが出るとか。
そこで同期の男子生徒が
「実は俺、視えるんです」
とか言い出してありきたりの展開になりました。
彼が視えるのかどうかはしりませんが、
私の家系は代々そういう力が強い家系のようで、実際私も視たり感じたりします。
確かに学校周辺には嫌なものを感じていました。
しかし、学校周辺というか高尾全体に重い空気を感じており、それが何なのかその時はまだわかりませんでした。
高尾山への遠足
遠足と言えば響きが可愛いですが、学校の親睦会的な行事で高尾山に登りました。
学校からも見えていた山で、その時は有名な山だと知らずに山登り感覚で登山をしました。
日中でしたし、他の登山客も多く、学生たちもはしゃいでいました。
異変を感じたのは、ちょうど山を登り切って休憩所へ着いた時でした。
人が溢れており、自由行動になったのですが、私の背中がピキピキ痛み出したのです。
(うわ、いるなぁ、ここ)
ハッキリそう感じました。
笑顔溢れる山中で、未練を残し今もそこから離れられずにいる何かを感じました。
動物とは全く違うものです。
無駄に動いて視たくも無かったので私は下山まで大人しくしていました。
下山ルートでの出来事
下山する道は登山の道とは違いました。
正直ルートが複数あり、先生の先導のもと動いていたので一体どのルートを通ったのかはわかりません。
しかし、その下山ルートは大変嫌でした。
昼間でもはっきりわかる位うじゃうじゃいました。
背中の痛みは治まらず、私は警戒しながらいつも身に着けている数珠を握りました。
いくらなんでもいすぎだろ?というくらい溢れていました。
視えない人でも感じたようで、
「何かこの道気持ち悪いよね」
「やけにうす暗いよな」
と言葉を交わしていました。
目立った霊障は無く、皆無事下山できたので良かったのですが。
あとから高尾山について調べてみましたが、
あの山は霊山として関係者の間では有名らしく、それが原因で動物霊が集まり、高尾全体が重苦しくなっているのだと認識しました。
しかし、休憩所で感じたもの、そして下山途中に感じたものは、はっきりした人間の意識でした。
さらに調べてみたら、今は観光地として整備されている高尾山ですが、
その前は自殺の名所として、若干名が知れ渡って行ったようです。
助かった人、助からなかった人様々いるようですが、相次いで自殺志願者が集まる為、
登山ルートなどの整備がされたようです。
昼間でも鳥肌が立ってしまった私、夜は絶対行きたくない場所ですね。
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