亡き人の大切な思いの伝言係。福井県のとある病院での事

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亡き人の大切な思いの伝言係病院

私は、7年前病気を患い入院していました。

小さい頃から幽霊を当たり前のように見て大きくなったのですが、時折、幽霊の声が聞こえました。

入院中のある日、夜遅く私のベッドの脇に、全身包帯で覆われた女の人が現れました。

その人が、私に話しかけてきたのです。

声も、感じも覚えのない人のような気がしたのですが、

とりあえず、話を聞いてみることにしました。

そのひとは、

「私は、火事で死んだのですが、そのことで夫が悔やんでいると思うので、

私が、自分で死を選んだのだから、あなたは、何も悪くないと伝えてほしいのです。」

そう言って、その女性は消えてゆきました。

初めは、全然意味が分からなかったのですが、

数日後、友人と話しているとその友人の知り合いの家が、

火事になり、奥さんが亡くなったことを聞かされました。

詳しく聞いてみると、その奥さんは、末期のがんで、自宅療養中だったそうです。

その日御主人が、ちょっとした用事で、家を空けた時に火事が起こったそうで、

奥さんは、玄関のすぐそばで亡くなっていたそうです。

ご主人は、「自分が出かけなければこんなことにはならなかったのに」

と、嘆いておられました。

それを聞いた時ようやく、

私のところにやってきた女の人の言葉の意味が分かったような気がしました。

彼女は、自分の体が辛いうえにこれ以上ご主人に負担をかけたくないために、

あの火事の時に家に残ったのだろう。

自分のことで負担をかけたくないためにしたことなのに、

今度は、死んでしまったことで後悔をしてほしくないという想いを

ご主人に伝えたくて、間接的に私のところへ来られたんだと思います。

友人にそのご主人に伝えておいてほしいとお願いしました。

何だか、お互いのことを思うあまりのすれ違いで、とても切なくなりました。

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