私が大学に通っていた頃、バイト先で恋人が出来きました。
私とは別の大学生でしたが、バイト終わりによく会っていました。
バイトはアパレルで閉店後も整理品だしなどあり、夕方から夜11時頃までかかっていました。
あの日も彼と会うのは残業が思いの外長くなり、12時頃に。
田舎の何もないところで、カラオケなどありませんでしたので、
公園が多く海の見える公園や池ある公園、桜の木がたくさんある公園などで会っていました。
わたしはバイト先から家まで歩いて10分ですが、彼は車で40分程かかるところに住んでいました。
あまり遅くなると大学が大変だと思っていたので、
12時頃にはいつも解散し彼が家まで私を送ってくれていました。
しかしあの時はすでにバイト終わりで12時を過ぎていましたが、
少しだけ話して帰ろうと、バイト近くの大きな公園に向かいます。
その日は夏の暑い日でしたが、もう夜も遅く、東北なので車の窓を開けて走って涼しく感じるくらいでした。
夜道はあまり街頭がなく、車で15分程の近くとはいえ、
公園まで道が同じような景色の中、曲がったりしなければならないのでカーナビを使って向かうことに。
公園に行くまでの間にコンビニがあるのでそこで何か買って公園で食べようと話していました。
しばらく車で走っていましたが、コンビニが見当たりません。
道を間違えたかなと思いましたが、カーナビで公園が近くに出ていましたし、
スマホのGPSマップでも公園が近くにありました。
道に間違いはないので、田舎ではよくあるコンビニは潰れたりしてなくなってしまったのかなと思い、
そのまま公園に行こうということになりました。
街頭が少なく道が暗いとはいえ、あまりにも少ないような気がしていて、
田舎では車が必須で人口が少ないとはいえ、
夜中でも国道付近の道は少しは車が走っているはずなのに先ほどから全くすれ違いません。
少しおかしいな、とは思いましたがカーナビを指す方向のまま走り続けます。
バイト先から15分ほどで付くはずの公園まで1時間以上かかっていました。
なぜか曲がり道がほとんどなく、ずっと1本道です。
流石におかしいねと彼を話して引き返す事に。
すると曲がり道が見えました。
左折して進むとカーナビが、目的地に着きました。
お疲れ様でした、とナビを終了しました。
すでに1時半を過ぎていて、辺りは街頭ひとつなく真っ暗です。
やっとついたねーと周りをきょろきょろ見てると、車の中なのに蜘蛛の巣が顔にかかったような感触がありました。
その時突然、彼がうわっと声を上げて急ブレーキを踏みました。
何事かと前を見ると、墓場でした。
ナビが間違えたのかなと公園まで検索しますが、どうやって検索しても目的地に着きましたとしか言いません。
色々している内に2時を回っていました。
もう帰ろうか彼に話して車をバックしていくと、墓にぶつかりそうになりました。
よく見るとわたしたちは墓場の中心にいました。
車が通れるぎりぎりの距離を置いて、墓がわたしたちを囲っていました。
とたんに怖くなりナビを着けると現在地は公園ではなく墓場に。
公園はどこにもありません。
トテモ遠いところにいました。
すぐに引き返して、今まで来た道を走り続けました。
わたしはパニックになり泣いていました。
彼もこえーよ何だよ、と言いながら泣いてはいませんでしたが青ざめていました。
車で5分は過ぎたころ、街頭でまぶしくなってきました。
気がつくと前にも後にも横にも他の車もありました。
さっきまで探していたコンビニが右側にあったので、とりあえずそこに止まり休憩しました。
店員のいらっしゃいませと言う声を聞いて心から安心しました。
お茶をお握りかい、ナビを確認。
公園まであと5分と表示されていました。
怖くて仕方なかったのでその日は帰りました。
後日彼と昼間にあの公園に行ってみましたが、コンビニから5分程でちゃんと着きました。
近くに墓場はありません。
探してみましたが墓場はどこにもありませんでしたが。
土地に詳しい祖父母に聞いてみてもあの辺には墓場なんかないよと笑っていました。
わたしたち二人が見たのは確かに墓場でした。
ナビが間違えて案内していたとしても、近くに墓場がないので案内しようがありません。
コンビニと公園と民家があるだけです。
親に話すと、不思議な体験したね、と笑っていました。
本当に不思議な体験をしました。