連続殺人寮「ー伊丹」への深夜ドライブは帰れない?

スポンサーリンク
この記事は約3分で読めます。

兵庫県伊丹市 ある社宅で1986年に事件は起きた。

真夜中4時頃鉄パイプを持った4、5人の男が窓ガラスを割って侵入。

男性一人を殺害し金品を奪った。その後も次々と襲い社宅は地獄絵図と化した。

当時のバンドメンバーkは夜な夜な車で徘徊する癖があり、

週3のペースで誘われた。

その日も蒸し暑い日付けが変わる頃、外でクラクションが鳴る。

お誘いの合図だ。

『連続殺人があった寮行きましょうや』

事件のいきさつを決して上手くない口調でまくし立てるkはこちらの返事など特に構いもせず目的地へと車を走らせる。

『絶対迷うんすよ。あそこに行くと』

しばらくの沈黙の後、意味深なことを言い出した。面白くなってきたじゃないか。

『僕何回か行ったんすけどね、行きは吸い込まれる様にたどり着けるんすけど、帰りは絶対迷うんすよ。』

『迷うて…どっか行ってまうん?』

『いやいや、気が付いたら同じ所をグルグル回ってるんすよ。』

微妙な雰囲気の中、kが車を止めた。

『ね、行きはすぐに着くでしょ?』

丑三つ刻に浮かぶ闇夜より黒い団地は相当不気味だった。

事件後閉鎖された様だ。

『ここで次々と人が殺されたんすよ。』

『どっから中に入るん?』

『なんて事言うんすか!?恐ろしや!』

出た。こいつビビりのくせにこんな所連れて来やがって笑。

『窓開けたらダメっすよ!霊が入ってきますよ!』

『…とりあえず外で一服してくるわ。』

どないしたいねん。

このまま帰る感じやな、これは。

かと言って一人で突入する勇気もないし、ま、いいか。

真夜中生きとし生けるものの活動が止まったかの様な静寂の丑三つ刻。

突然の殺人と言う戦慄イメージしてしまう。

団地を眺めつつさすがに怖くなってきたので最後のひと吹きを終えた。

『ここの角を曲がるでしょ?で、右に行くと来た道に戻るばすなんすよ。』

帰路、なんだか自慢げに語るk。

『ほら、又あの信号が出てきた。』

あの信号を曲がると例の社宅ではないか!?勘弁勘弁。ってかワザとでしょ?

『もう一回行きますよ。先輩も確認して下さいね。まず右に曲がる。で、これは左。しばらく行って右に曲がると、来た道に戻るはずなんすよ。』

ん?確かに意図的に回っては無さそう?

そして曲がった先には例の信号が…

『ふぇーマズイっすよ!やっぱり帰れないっすわ!呪われてるっすわ!』

ビビりのくせに心霊スポットに来て焦りやがって見苦しい奴。

その時声が聞こえた気がした。

女性の声が。

言うまい言うまい。

今の彼に追い打ちをかけて事故られでもしたら、たまったもんじゃない。

しかしkよ、なぜ黙っている?

『今の聞こえました?』

『なに?』

『女の声しましたよね!?ヒー!とかヒィー!みたいな!!』

『はぁ…とりあえず車を止めような。』

比較的明るい小さな駅前に車を止めたkが言った。

『毎回ここで朝まで待つんすよ。』

『日が昇るまで帰れませんよ。』

しょうがない、と一服しようとドアに手をかける俺に

『開けないで下さい!霊が入ってくるじゃないすか!!』

『やかましい!いちいちビビんな!!』

涙目になってブツブツ呟くkに缶コーヒーを渡し、外へ促す。

『ほら今日は月がキレイやぞ。』

『そんなん知らんすわ。僕は出ないすよ!』

その後は特になにも起こらず、朝日と共の帰路は順調だった。

『また行きましょうや!』

『どの口がいうねん。』

地元に戻ってすっかり笑顔のkとは、その後も夜な夜な心霊スポットを徘徊する。

その話はまた次の機会に。

タイトルとURLをコピーしました