迷い込んだ異世界のはなし。

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心霊スポットというのは廃病院、墓場など、いかにもいそうな場所ばかりとは限りません。

夜ならば、異世界への扉というものが開く可能性はどんな場所にでもあるのです。

ただ街中を歩いている、そこに怪異への扉は開くことがあります。

ほんとうにあった怖い話なんて言葉を信じない人もいるでしょう。

私は霊感なんてないから、そういった考えの人もいるでしょう。

ですが、幽霊、おばけ、悪魔や神や天使まで。

あなたのすぐ近くにいる場合もあるのです。

私はそのなにかしらの存在に身体を操られたことがあります。

身体が勝手に動く、勝手に言葉を発し自動操縦で歩き出し、自動操縦が解けると、そこは異界でした。

空からは大きな四角い布が垂れ下がり、景色は見渡せません。

しかし、隙間から球体のタワーのような建物が見えました。

わけもわからず、長いまっすぐな道を歩くと教会のような場所があり、

入ってみると、いるわいるわ幽霊たち。

手足を拘束され、真っ白なその姿でもがいています。

その場から逃げ出すとだんだんと普通の街並みに戻りつつある場所に出くわしたのですが、

民家の庭に十メートルはあろうかという大蛇の岩。

異世界と現実を混ぜたような場所に私は入り込んでしまったのです。

人とはひとりもすれ違いませんでした。

しかし、見たことのない生き物はうじゃうじゃとたくさんすれ違いました。

朝になるとその街ではなく元の自分が住んでいた世界に戻っていました。

一体何体の異界の住人に会ったのかわからないほどの百鬼夜行ぶりでした。

私の家は岐阜県の長沢町です、朝着いたのは滋賀県の長沢町でした。

とんでもない距離をとばされていたのです。

夜の妖にあなたも会う日が来るかもしれません。

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