40年ほど前の話になります。
私がまだ学生の時で今だに信じられなく鮮明に覚えています。
京浜東北線の南浦和から赤羽に向かって乗っていたのですが。
この日は朝から東川口にいる友達の家に行きいつものように
ゲームをしたり音楽を聴いたり何気なく過ごしたていました。
遊んでいても暇で何かする事を探しながら遊ぶ、とにかく暇だったのです。
その日も夜になりそろそろ帰ろうかと思い駅に向かってのですが、
当時武蔵野線は1時間に一本程度しか走っていなかったので、
結局最終一本、二本前の電車になってしまいました。
当時は人も少なくまるで貸し切り状態でゆったりと座って帰る事が出来ましたが、
武蔵野線から京浜東北線へ乗り換えも本数が少なくかなり待ってほぼ最終電車だったと思うのですが、
その時に乗っていたのは5人だったと記憶しています。
のんびり座って窓から外を眺めていた時の事です。
私が乗っている電車の隣に、40ワット程の裸電球の明かりでぼんやりとした電車が走って来たのです。
暫くぴったりと並走していたのですが、何だか変な感じで、電車にしては室内の明かりが暗すぎるし、
誰も乗っている気配が無い、座って見ていた限りでは一人も乗っていませんでした。
何だか変だなと思い立ってドアのところへ行き、その電車を見ると
えー、隣に線路が無かったのです、
私の目がおかしいのかと思い一緒に乗っていたお客に見てもらおうか迷ったのですが、
終電だったので変人に見られると思い辞めました。
その薄暗い電車が段々追い越して行こうとしていたので暫く見ていると、
車掌さんの乗っている最後部の部屋には誰も乗っていませんでした。
又、通り過ぎた後窓の外の下を見ると一段下がった道路で線路は在りませんでした。
一体あの電車は何だったのでしょうか。
40年経ってもいまだに不思議でなりません。