私はスキューバダイビングをしている知り合いで仲間のNさんという方がいます。
Nさんは海外はないですが、日本全国の海を潜っています。
これは先日、ダイビングの仲間との暑気払いで聞いた話です。
2年前の夏の事です。Nさんは派遣で会社に勤めてましたが、ちょうど期間が終了し退職。
次の会社に行くまでにちょっと時間があったそうです。
私達スキューバの仲間達とは日程や休みが合わなくて、宮古島に住んだスキューバを向かい一緒にした仲間のKさんから来ないかと誘われて宮古島に飛行機で行きました。
沖縄本島から南西にある宮古島は自然にあふれて環境もよく、初めて行ったNさんは楽園かと思ったそうです。
リゾート地と化してましたが、海も綺麗で食事もおいしく過ごしやすく、Kさんと潜った海もクリアで魚や海中も絶景で感動したそうです。
Nさんは滞在は約10日くらいと決めてました。
色々と満喫し宮古島で生活して5日目の事でした。
Kさんとは毎日お酒を飲んで食事したり夜を楽しんでました。
ですが、この日は何故かKさんは体調が悪く、お腹を下し具合が悪く先に家に戻ったそうです。
Nさんは家もわかっていたので、ある程度お店で飲み、出たのが夜の21時頃でした。
そのままKさんの住む家に戻ろうとしました。
Kさんの家の近くは5分くらい歩くと砂浜と海があったそうです。
Nさんは帰り道空を見上げると星空が綺麗で、海で星空を少し眺めて帰ろうと決めたそうです。
砂浜に行くと星空が素晴らしく、感動し涙流しながら寝そべって星空や夜の海を見てました。
お酒もあって眠気もあり、少し寝てしまいました。
寝て1時間くらいでふと目を覚ましました。時間は夜の23時になってました。
酔いもさめていて意識はスッキリしてましたが、夏なのに吹く夜の風が心地よくしばらく星空を見てました。
その時、目の前を白い小さな丸い球らしきものがゆっくりと小さく旋回しているのに気づきました。
最初はNさんは虫かとおもいましたが、違いました。
Nさんの頭上をゆっくりと回っていたそうです。
なんか不気味だと思い起き上がったらその球らしきものははじけてなくなったそうです。
と同時に低い男性のような声が耳に聞こえてきました。
Nさんは周りを見ました。が、人ひとりいないし、周りは砂浜のみ。木すらありません。
なんか変だと思い、Kさんの家に戻ろうとした時でした。
Nさんの耳元にお経のような声が小さいけど聞こえてきました。
周りを見たら誰もいません。怖くなったNさんは帰ることを決意。
帰る際に、海の方を見ました。
すると海の方で真っ暗で良くわかりませんが、人間のような輪郭をしたものが海で立っていました。
表情はよくわからなかったけど、髪が長く縮れ毛のように顔が隠れて覆われていました。
ただ、両手の手首の下が全くなくゆらゆら揺れて立ってました。
「ギャア!」
Nさんは振り返ることなく全力疾走でKさんの家に帰ってきました。
顔色が青ざめて汗だくのNさんをKさんは迎えてくれました。
Nさんは事の詳細をKさんに話しました。Kさんは、「自分が来た時昔ここで死んだ人が居たとか、海の霊のいたずらとかがあるとか地元の人が言っていたような。
まだ見たことないけど。」と淡々と話してました。
楽しくてもう数回ダイビングしようと思っていたNさんですが、そんな怖い思いをし滞在したいという思いは消え、翌日帰り支度をしてKさんの家を後にしました。
その後地元に帰ってきましたが、Kさんから連絡があり、「台風ですごい被害で交通機関がマヒしてる。早く帰って正解だね。」と言われたそうです。
Nさんがあの日夜中に見た物はいったい何だったのでしょうか?今でもわかりません。
よい見方をすればNさんを守るための何かの暗示や訴えを霊らしきものはしていたのでしょうか?
とにかく、Nさんは怖くて鳥肌が立って、Kさんの家に戻ってもしばらく治らなかったとのことでした。
そんなNさんの恐怖体験でした。