突然の救急出動
私は救急隊員をしていましたが、
ある時、「人が暴れている」と通報を受け、現場に向かいました。
到着すると、50代くらいの女性が、3~4人の人たちに囲まれていました。
うめき声のような声をあげながら、暴れている様はまるでゾンビ映画を見ている様でした。
怖いのはここからで、とても50代前後の女性とは思えない怪力で、隊員と周囲の人たち総がかりでも取り押さえることができなかったのです。
なにやら「西へ行くんだ」というようなことを言っていましたが、鍛え抜かれた男の消防士3人がかりでも救急車に運ぶのに苦労しました。
虚ろな焦点の合わない目で、車内でも5分ほど暴れていましたが、急に気絶しました。
すぐに目が覚めましたが、屈強なの男性を振り回したあの怪力は既に無く、普通の女性に戻っていました。
本人には、暴れていた間の記憶はまったくありませんでした。
ちなみに、暴れていた現場はお寺に隣接していました。
2回目の体験
2度目は若い男性でした。
道路工事の作業員の人でした。
仲間の男性数人に囲まれて、必死に押さえつけられていましたが、意に介することなくゾンビのような足取りで引きずっていきます。
私たち救急隊員も加わりましたが、まったく止められません。
彼はうめく様な声で「西へ行かにゃあいかん。西へ行かにゃあいかん」とつぶやいていました。
現場が車の通行料が多い道路でしたので、危険だと判断した私はラグビーのタックルの要領で彼の足に飛びつき、転倒させました。
その上にみんなでおおいかぶさり、動けなくしたところ、やはり彼も5分ほどで気を失いました。
すぐ目を覚まし、「あれ?俺なにしてたの?」と言い、仲間の男性が「お前大丈夫か?」と声をかけていましたが、記憶は全くなかったようです。
この現場もまたお寺に隣接していました。
偶然にしては出来すぎています。
それ以来、私は霊の存在だけは信じるようになりました。