入院先の病院で怪談話
体調を患い、とある大学病院に1ヶ月ほど入院したときの話です。
たまたま担当の看護師が同年であることから、仲良くなり他愛もない話をしては盛り上がっておりました。
私は個室であり、外出禁止が出されていた為に、
同じ階にある漫画コーナーにもっぱら入り浸っていたのですが、
そこで懐かしの漫画「地獄先生ぬ~べ~」を見つけて読みふけっておりました。
消灯前の薬を彼が運んできてくれたので、やっぱり面白いねあの漫画とその話題について触れると、
漫画に関する裏話や怖すぎて初版はもう販売されていないことなど、
知らなかった話を彼から聞くことができました。
その話の延長で、ふいに私は病院だと怖い話なんてゴロゴロしてるんじゃない?
と冗談ぽく話を振ると、彼は霊感がないから幽霊とかは全然見たことがないんだよね…
だけど、一回だけ夜勤で怖い思いしたよ。
と語り始めました。
誰が押したのか分からないナースコール
彼が夜勤のときだそうです。
深夜とあり、見回りも終え事務処理をしていると、
突然ナースコールが鳴り響いたので慌てて病室へと向かったそうです。
しかし、患者さんはすやすやとよく眠っており、異常は見られません。
彼はなんだ間違いかと思い、ナースステーションへ戻りました。
けれども、その途中で気が付いてしまったのです。
そもそも、その患者さんがナースステーションを押すはずがないということに。
何故ならば、そこはICU(集中治療室)であり意識不明の患者さんが運ばれるところだったのです。
彼は急に怖くなり、その後の仕事もどこか上の空になってしまったとのこと。
ICUのナースコールが絶えない?
ベテランの先輩が戻ってくると、彼はすぐにその話をしたそうです。
ですが、返ってきたのは
「あぁ、また?よくあるのよね、あそこ」
といかにも慣れた感じだったそうです。
なんでも、その病院ではICUでのナースコールはよくあることだそうで、看護師の間では有名な話のようでした。
よく幽体離脱をしてチューブに繫がれた自分を見たなんて話がありますが、
確かに自分なら慌ててナースコールを押してしまうかもしれないなと思った話です。
因みに彼いわく精神科病棟が一番、怪異が少ないとのこと。
その変わり、患者さんには時折殴られたりするから危ないけどね、と笑っておりました。