香川県といえば、四国八十八ヶ所の霊場があり、
ホラーからは縁のない地域のように思われますが、そうでもありません。
地元の人がよく知るホラースポットを取り上げます。
私が勤めていたのは土木コンサル系の会社でした。
他県でトンネルの老朽化による崩落事故があってから、香川県でもトンネルの点検が実施されました。
土木コンサルでは意味がわかりにくい人も多いかと思いますが、
設計や測量などもしますが、トンネルの点検も仕事のうちだと思ってください。
私の勤めていた会社でもトンネル点検の業務を受注しました。
現場へはコンクリートに詳しい担当者、
作業を行う者、入社して間がないアシスタント数名で車2台で向かいました。
現場から帰ってきた担当者が、「これ見て」と言って、
PCのモニターに映ったトンネルの中の写真を見せてくれました。
そこには不透明や半透明の丸がランダムに映り込んでいました。心霊写真でいうオーブです。
オーブの数は数え切れないくらいだったので、見ただけでギョッとしました。
まさかここは、と思って、現場を聞いてみると、「中村隧道」通称、「中村トンネル」です。
地元ではホラースポットとして有名でした。
仕事で撮影中、デジカメの電源が突然落ちたそうです。
それでもトンネルですから、映り込んだオーブはトンネル内の埃の乱反射かもしれません。
しかし、現場から帰ろうとしたアシスタントの経験した話を聞いて、これは心霊写真かもしれない、と思えてきました。
最近の車はシートベルトを締めずに運転すると、締めるよう、警告を音や表示で知らせてくれます。
社用車には運転席以外に、助手席にも警告するようになっていました。
アシスタントは1人で運転していました。
ところが、トンネルの現場から去ろうとすると、助手席側がシートベルトを締めていないと警告が出ました。
もちろん隣には誰もいません。
アシスタントは1人で半泣きになりながら会社まで帰ってきました。
これが私の身近な心霊体験のお話です。