今年の1月の中頃、私は大阪で仕事がありその帰り道木曽川の堤防沿いを車で走っていました。
時間は午前3時頃だったでしょうか。
さすがに午前3時ともあれば人気も無く、快調に車を走らせていました。
家にあと15分ほどで到着するというところ、信号で横断しようと待っている人影が遠くから見えました。
特に気にすることもなく徐々に近づいていったところ、その姿は良い(オーダーメイドのような)背広を着て、帽子を深くかぶった年配の方の姿ようでありました。
ふと、「こんな時間にあんな恰好をした男性が歩いているはずがない!!もしかしたら自殺では!!」
と思い、ブレーキを素早くかけ、徐行するためにペダルを踏んだ時でした。
その男性が”ふっ”とその場から突如消えたのです。
私は急に怖くなり、ブレーキを踏むのをすぐにやめ、
「こんな時間だし疲れているんだ、早く家に帰って休もう」と考え少し慌てたところでした。
後部座席から妙な視線を感じるのです。
その瞬間に私は気づきました。
「これは幽霊か何かがとりついてしまったのかもしれない、とにかく後ろを見てはだめだ」と。
しかし何を思ったのでしょう、恐る恐るミラー越しに後ろを除くと
先ほどの年配の男性が座っていたのです。
そして目が合ったとたん’ニヤリ’と笑うのです。
私はもうだめだとアクセルを全開にし、無我夢中で走りました。
それから1時間後、どこをどう走って帰ってきたのかは覚えていませんがその男性は消えていました。